インモールドラベルってどんなものですか。

掲載日:2014年8月14日

※本記事の内容は掲載当時のものです。
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ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:インモールドラベルってどんなものですか。

A:金型の中にラベルを入れて樹脂を注入し成形する方法をインモールド成形といい、同時に熱融着させるラベルのことをインモールドラベルといっています。
ラベルは、フィルムに平版オフセット印刷又はグラビア印刷をします。、平版オフセット印刷の場合、通常の印刷用紙と違いインキの乾きがよくないために速乾性のUVインキが用いられます。グラビア印刷の場合は専用インキが使用されます。表刷りの場合は印刷後、表面の絵柄を保護するためにコーティング加工が施されます。
裏面は、ポリプロピレンにポリエチレンを混合したものを塗布して接着層をつくり、抜き型で形を抜いてラベルは完成です。
容器は、金型に樹脂を入れて容器を成形して作製しますが、成形の方法にはブロー成形とインジェクション成型の2つのやり方があります。

【ブロー成形】
ブロー成形で作られるものとしては、シャンプー・洗浄剤・野菜ドレッシング等の容器があります。
1:プラスチック金型を作ります。これは金型の内側に容器の型をとり、その金型を真っ二つに割った状態にします。そして、金型の内側に印刷されたラベルを装着します。
2: 2つに割られた金型の間に、上から高温の樹脂のかたまり(パリソンという)をおろします。
3:パリソンを挟んで2つの金型を合体させ、金型の中のパリソンに空気圧をかけて樹脂を膨張させて金型の型にフィットした容器を形作ります。この時にラベルも同時に接着させます。
4:これで、容器が完成します。

3の空気を膨張させて成形するときに、ボトルとラベルの間に空気を閉じ込めると、ラベルの表面に凹凸ができてしまいます。これを防ぐためにラベルの裏面に空気を逃がすエンボス加工をしておきます。こうすることにより、膨張時に空気をスムーズに逃がしてやすことができます。

【インジェクション成形】
インジェクション成形でつくられるものは、プラスチック製のアイスクリーム・ヨーグルト・水羊かん・プリンなどの多角形又は逆円錐形の容器です。
1:容器の型を作るために凹凸のプラスチック金型をつくります。
2:凹側の金型の内側に印刷されたラベルを装着します。
3:2の状態で凹側に凸部を合体させ、完全に密着させるのではなく少し隙間を作ります。そこに凹側の真中の小さな注入口から樹脂を注入して容器を成形し、同時にラベルも熱融着させます。
4:凹凸の金型を離し、凹側の真中の小さな注入口に付着している樹脂を切り離して容器が完成します。

インジェクション方式の場合、逆円錐形の容器が多くそれに貼りつけるラベルを展開すると扇形になっていなければなりません。

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【特徴】
1:直印刷に比べ、写真やグラデーションの再現性がよく細密な図柄やカラー印刷が可能です。
2:ラベリング工程が不用なので省力化がはかれます。
3:ラベルがボトル表面に完全に密着しますので剥がれません。耐水性・耐油性・耐薬品性・耐摩擦性があります。
4:紙のラベルだと剥して分別する必要がありますが、インモールドの容器だとラベルごとリサイクルが可能です。(リサイクルの方法が、高炉吹きこみ、溶鉱用鎮静剤、固形燃料化 等の場合)

福島印刷工業(株)
TEL 03-3953-0121
URL http://www.net-fp.co.jp 

大日本印刷㈱
URL http://www.dnp.co.jp/jis/eco/eco/j_pdf2000/07.pdf

(2002年4月15日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)