マンガ雑誌の本文の紙に色々な色が使われていますが,何か意味がありますか?

掲載日:2014年8月14日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:後加工

Q:マンガ雑誌の本文の紙に色々な色が使われていますが,何か意味がありますか?

A:週刊のマンガ雑誌に使われている表面がザラザラした用紙のことを印刷せんか紙といいます。白だけでなくオレンジやグリーン、イエローといった色のついた紙が多く使われています。
この印刷せんか紙は非塗工紙の中でもグレードは低い部類に入ります。
この印刷せんか紙は、古紙から作られており新聞古紙を30~40%と、印刷工場や製本工場から出る裁落としを原料とするのが一般的です。印刷せんか紙には色がついているものが、殆どです。
色がついている理由は大きく二つあります。
第一に製紙メーカーの側の事情があります。印刷せんか紙は新聞古紙を多く含んでできていますが、脱墨技術が進歩したとはいえ、完全に脱墨することは困難であり、どうしても黒ずんでしまいます。真白にはできないということです。これをカバーするために用紙に色をつけるようになりました。
第二に、出版社側のコストの面です。以前はマンガ本もすべて白い紙を使い、何種類かの色インキで印刷していたようです。しかし、色数が多いと制作コストが膨らみます。そこで、墨インキ一色で何色かの印刷せんか紙を組み合わせることにより本に変化をつける工夫をしました。
ここで、製紙メーカー、出版社のメリットが一致した結果マンガ雑誌は殆どのページが色用紙で占められています。
また読者にとっても、同じ色の用紙だと中間まで読んでいくと飽きてくるかもしれません。読んでいるうちに、このモノクロのワンパターンがもたらすマンネリを緩和する、メリハリをつけるといった意味があるようです。

 

(2001年11月19日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)