高速で水上りが悪くなる(051-3)

掲載日:2014年9月11日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:ダンプニング

高速で水上りが悪くなる(051-3)

【概要】
 現在ダールグレンを使った機械を担当しています。ノンアルコールで印刷しているためにダールグレンのモーターを最高回転にしても水上りが悪く,機械の回転があがりません。何か良い方法を教えて下さい。

 【解決方法】
ダールグレン装置のノンアルコール印刷はとても優れています。ダールグレンダンプニングシステムにアルコールを使うのは湿し水の粘度を上げローラ間のニップを通過させるためです。また,インキ中に入った湿し水をアルコールの蒸発の力を借りて蒸発させ,インキ乳化を防いでいるのです。
 質問のように,モーターを最高回転にしても水上りが悪いのは湿し水の粘度が不足しているためでしょう。
 対策として,グリセリンかグリコール類(共に水溶性)を湿し水に2~3%入れてみてください。湿し水の粘度は若干上がります。5%程入れている会社もありますが,入れ過ぎるとインキ乳化につながりますので注意してください。また,その時の湿し水温度も水槽内で10℃位に保つと良い結果が生じるでしょう。
 湿し水phの管理も忘れないようにしましょう。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)