浮き汚れの発生(056)

掲載日:2014年9月11日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:見当不良・汚れ・ゴースト

浮き汚れの発生(056)

【概要】
 通帳の本文の入金,出金,残高など有価証券類を印字するページを印刷するのが主な仕事ですが,最近浮き汚れみたいな現象が発生するようになりました。いろいろ対策を立てているのですが,現在も,時々発生します。考えられる原因と対策をよろしくお願いします。
 水回りは,連続給水方式です。通常,裏面より印刷しますが,それは用紙でいうと表面です。だいたい片面3色なので1色目は胴入れ2空通し,2色目罫線,3色目バーコード,4色目地紋という刷り順です。回転は約13,000回転で紙ムケ防止の為,バーコードのスミインキはコンパウンドで腰を切って使用しています。

 【解決方法】
 紙の酸性度が影響しているかもしれません。phメーター等で測定してみてください。
インキに対して,コンパウンドを使用し,腰切りをしているとの事ですが,オロテックス(大日精化 扱い)という商品があるので,それを使用してみるとよいでしょう。(腰切りの効果はコンパウンドより良いようです)
また,エッチ液を取替えてみてください。水道水とのマッチングがあるので他の液との関係も調べた方がよいでしょう。これにより,湿し水のphの変動要因が解決できる場合もあります。
 最後にインキは出来る限り乳化させない様にします。絵柄模様が少ないときは,特に気を付ける事が必要です。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)