パイリングと紙粉,パウダーの関係(065-2)

掲載日:2014年9月14日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:パイリング・紙むけ・ヒッキー

 

パイリングと紙粉,パウダーの関係(065-2)

【概要】
 紙粉やスプレーパウダーの使用とパイリングの関係が知りたい。

 【解決方法】
パイリングとは,パイル=積むの意味で,ブランケット表面,版面,画像やインキローラーに堆積する事です。
ブランケット残りを「ブランケットパイリング」,版残りやローラ残りを「パイリング」と言います。
 原因は(1)インキ練肉不良や粗い顔料を使った場合,転移が悪くなる。例えば金インキの印刷などは顔料粒子が粗く,重いため顔料がブランケット表面に残り転移が悪くなります。
 (2)インキの乳化が進み,流動性が悪くなると転移も悪くなる。ブラン残りが生じる。
 (3)紙粉の出易い用紙や紙面強度が低い用紙などで印刷中にブランケットに紙粉や,紙ムケした部分が残る
(4)先に刷った時に裏移り防止,スプレーパウダーを多く散布した後に,後刷印刷を行った時ブランケット上にスプレーパウダーが堆積してインキ転移不良を起す。特にスプレーパウダーを加工して水に溶けないものを使用する場合,散布量を少なくしなければブランケットパイリングが起き,度々,ブランケット洗浄をしなければならなくなります。

いずれにせよ,紙粉の多い用紙やスプレーパウダーの大量散布は,版残り,ローラ残り,他,ブランケットパイリングを起こし,印刷品質が低下しますので,注意してください。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)