印刷業定点調査 各地の声(2016年9月度)

掲載日:2016年12月28日

9月の売上高は6カ月連続の減少となる△2.5%。6カ月連続減少は2013年1-6月以来であり、失速が鮮明になっている。受注件数は3カ月連続の減少となる△1.8%。7月の参院選以降は印刷の仕事が停滞したままである。

地域別では、首都圏(△3.4%)が5カ月連続の減少、大阪圏(△5.5%)が6カ月連続の減少と、東西の2大都市圏で落ち込みが大きい。名古屋圏(+0.3%)は2カ月連続でマイナス幅が縮小、3カ月ぶりの増加に転じた。

業種・業態別では、商業印刷(△3.3%)が6カ月連続の減少。出版印刷(△5.0%)は若干の増加になることもあるが、いかんせん減少時の落ち込み幅が大きい。地方に多い業態の総合印刷(+1.6%)は2カ月連続の増加。紙器・事務・その他(△5.4%)は6カ月の減少。

2大都市圏を中心に全体として印刷の仕事が低調ななか、名古屋圏および地方の総合印刷会社が回復を主導するような展開となっている。東京都心は訪日外国人による爆買いが落ち着いてしまったような影響もあろう。

材料仕入額は、用紙(±0.0%)は2カ月連続で前年同水準。インキ(+2.6%)とCTP/PS版(+1.0%)はともに3カ月ぶりの増加。材料仕入額は売上高と受注件数に先行して復調の気配を感じさせているとも見られるがどうか。

【印刷会社経営者の声】

茨城:商業

コスト削減を強化するお客様が増えているため、価格見直しがやや増えています。

東京:商業

社内の指標が部分最適化になっており、状況が適切でない形に細分化されて捉えられ、逆に全体最適化の妨げになっているように感じる。問題点が正しく浮かび上がるような指標の選定や資料作成を考えたい。

東京:商業

印刷関連業としてブルーオーシャン戦略を描けないだろうか?お一人様1回限りの人生、大いにチャレンジしよう!

長野:総合

お客様の多種多様なニーズに合わせて、企画提案力・技術力・設備力・多能化のノウハウなど自社の強みを生かして一緒に考え成果を出す。コミュニケーション能力を持って成果を挙げられる人材が求められます。

岐阜:総合

9月の決算月を5期連続増収増益で終えることができました。各部署がさまざまな戦略を確実に実行してくれたこと、努力の賜物が結果としてあらわれた。すべての社員、関係者に感謝です。

岐阜:総合

JAGATの研究会セミナー「最新調査にみる印刷経営と戦略」を受講しました。好業績企業がどのような思考、戦略を持っているか、毎年、貴重な参考にしています。今回は「印刷回帰、設備に依存しない生産性向上」「トップダウン、ボトムアップ両方の意思決定」などを特に勉強しました。

岐阜:その他

グーテンベルクの肖像画を工場内に掲示した。3カ月前にスタッフをリフレッシュしたが、浮き足立っている気がする。今一度、先人に敬意を表し、原点を見つめ直して仕事をしたい。

和歌山:商業

NHK大河ドラマ「真田丸」の好調を受けて、地域観光も印刷物も潤っています。今回はゆかりの地が複数あったので、各地の経済に波及効果が見られたようです。