印刷業定点調査 各地の声(2018年1月度)

掲載日:2018年5月28日

1月の売上高は△0.5%。昨年9-10月をピークに3カ月連続の減少だが、マイナス幅は2カ連続0.5%と実質的にほとんど前年なみともいえる水準。11月に△2.1%の落ち込みで衆院選後が心配されたが、12月以降も少なくとも見かけ上は健闘ともいえる売上高になっている。

地域別では、首都圏(△0.7%)が2カ月ぶりの減少だが減少幅は小さい。名古屋圏(+0.7%)は3カ月ぶりの増加だが増加幅は小さく、ここまで長期的に順調で印刷市場全体を底支えしてきた名古屋圏の減速傾向が懸念される。大阪圏(+3.9%)の4カ月連続増加は2013年12月-2014年3月以来。大阪圏はインバウンド需要の大幅増加による賑わい、経済の好調さも報じられるなど、ここ数年になかった好況が印刷にも波及している。

業種・業態別では、商業印刷(△0.4%)が3カ月連続の減少。出版印刷(+4.7%)は4カ月連続の増加。地方に多い業態の総合印刷(△1.4%)と紙器・事務・その他(△2.2%)は2カ月ぶりの減少。全体としては出版印刷が全体を引き上げている構図だが、出版印刷会社の数が全体的に減っていることも影響しているのか、出版印刷会社からは「下げ止まった」「増えた」との声を耳にすることがある。

材料仕入額は、用紙(△0.9%)が2カ月連続の減少。インキ(△5.5%)は3カ月連続の減少。CTP/PS版は(△11.0%)は3カ月ぶりの減少。オフセット印刷関連の材料仕入れが鈍っていることが気にかかる。労働時間(△0.7%)はそれほど減っていないので、オフセット印刷関連以外の売上高が増えているとも受け取れる。

【印刷会社経営者の声】

茨城:商業

取材・企画・編集・データ作成で納品の仕事も増えています。これから年度末の仕事が大変ですが、先のことも考えて頑張ります。

東京:商業

見えないコストをどう見える化するか。好事例をいかに一般化するか。難しいと感じます。インプットを多くして課題に当たりたい。

東京:商業

page2018にてモノからコトへの多種多様な事例を目の当たりにし、私たちの会社も更に力を入れようと決心しました。印刷業に明るい未来を感じています。

長野:総合

企業の理念に「選ばれ続ける品質を」と言っています。まずお客様のご要望に応え、当社の技術力・デザイン力・高品質印刷の優位性が加われば仕事は必ずあると考えています。時代の変化にしっかり対応していきたいと思います。

長野:出版

同じ内容のミスが繰り返し起きます。気の緩みなのか、いい機会なので個人個人と話をして目標、そして思いを伝えたい。

岐阜:総合

今期も残すところ1カ月となりました。売り上げ計画、利益計画ともに達成できる見込みです。次期計画を策定中です。期首は、新たな1年がどのような年になるのか不安と期待が入り混じりますが、挑戦的な計画を策定したいと思っています。

岐阜:その他

平昌五輪での日本人選手の活躍に感動している。国民の期待はプレッシャーとなって重くのしかかる。打ち克つ精神力にはただただ感心するばかりだ。我々は顧客の期待に応え切れているだろうか。メダルを獲得できるだろうか。

和歌山:商業

2月7日page2018に参加した。テーマはアライアンスNEXT。基調講演の内容とは違うが、ロングテイル拡張にフォーカスしたアライアンス戦略を最速構築していきたいと思う。

(JAGAT info 2018年3月号より)