複雑化した“今”を捉えるためのヒント
さまざまな要素が絶え間なく変化する「流動化社会」にどう向き合うかを考えます。
社会環境が大きく変化する現在、ビジネスをこれまでの業務の延長線上で捉えるだけでなく、現況を捉え直し将来の見通しとともに再構築していく必要がある。目の前の現実を見ても、日々新たなAIモデルが開発され、数カ月前には不可能だったことが今では実現可能になるケースも珍しくない。
印刷ビジネスにおいても、社会人口動態の変化による総需要量への影響、生活者の情報利用スタイルの変容、技術的な進展に伴う生産工程およびバックオフィス業務への影響など、考慮すべき領域は多岐にわたる。
さらに、こうした社会環境を人材の面から捉えると、“ 守備範囲はここからここまで” といった固定的なセクション分けではなく、“ 目的に応じて柔軟性に連携する力”が重視される方向性も予想される。
多様な要素が絶え間なく変化する「流動化社会」では、“ 今、立っている地点からあらゆる事象を捉え直しつつ、ビジネスを考えていかざるを得ない” という状況にあるといえる。
事象を抽象化して構造で捉える
未知の問題に向き合う際に必要なのが、「事象を抽象化し、構造で捉える」という思考習慣だ。個々の具体事例を追うのではなく、そこに共通する構造を見出すことで、解決策を導きやすくなる。
ビジネス開発の例では、新聞の定期購読などから着想を得て、「利用価値」の定期提供をサービス化したソフトウェアのサブスクリプションモデルなどが挙げられる。
技術開発の応用例とはなるが、ブドウ圧搾機の構造から活版印刷機を開発したグーテンベルクや、耳で音が聞こえる仕組みから電話を考案したアレクサンダー・グラハム・ベルの取り組みは、抽象化して捉えた構造を別領域に展開する「アナロジー思考」が基盤となっているといえる。
理解を促すグラフィック
印刷人材の活動のなかで捉えてみると、企画資料の作成や、デザイン制作におけるコンセプト策定などで用いられる図解のプロセスも、複雑な要件や議論内容を「抽象化→構造化」することで、普遍的理解を促しているといえるのではないだろうか。
次回JAGATエキスパート・ラボでは、グラフィックを用いて議論を可視化し、コミュニケーションを活性化させる手法である「グラフィックレコーディング」を取り上げる予定である。
(JAGAT丹羽朋子)
JAGATエキスパート・ラボVol.5のテーマは「グラフィックレコーディング」
4月24日(金)19時~20時半 オンライン開催決定
(詳細は近日中にJAGATエキスパート・ラボ案内ページに掲載します。)







