DTPエキスパート認証試験の出題範囲より、キーワードを解説する。 今回は、[コミュニケーションと印刷ビジネス]カテゴリより、『購買の意思決定プロセス』を取り上げる。
出題のポイント
ユーザーが購買に至る意思決定プロセスを理解することで、マーケティング戦略を効果的に展開できる。企業間取引(BtoB)と企業―個人間取引(BtoC)の違いを踏まえ、適切な情報メディアの活用を検討する。
購買に至るまでには、一般的にいくつかのプロセスを経る。ただし取引先が個人である場合と企業である場合とでは、そのプロセスは大きく異なる。したがって、取引先主体に応じた意思決定プロセスを理解したうえで、マーケティング戦略を検討する必要がある。
企業の担当者も一個人であるため、商品・サービスの認知から検討に至る過程において、心理的要因など共通する点はあるものの、アプローチ先、提示すべき情報の内容やタイミングなど、戦略の中心ともいうべき主要な要素には様々な違いが生じる。これを踏まえて、顧客の行動とそれに紐づく思考や課題の動き(カスタマージャーニー)を捉える必要がある。
BtoBビジネスでは、購買に際して複数の意思決定者が関与し、また購買に至るまでの期間が長期化する傾向がある。さらに、社内合意形成が重視されるため、価格、品質、ROI(投資利益率)などの要素とともに、合理性が重視される場合が多い。
そのため、購買に関与するステークホルダーを把握し、各段階において決定判断に効果をもたらす情報を提供すること、さらには中長期にわたる意思決定期間中に信頼関係を築くことが重要となる。
一方BtoCビジネスでは、意思決定者は原則としてターゲット個人であり、個人の選好や感情など心理的要因が購買に影響する度合いが高く、購買に至るまでの期間が比較的短いという特徴がある。
BtoCマーケティングでは、生活者の購買行動を踏まえた戦略立案が有効である。商品・サービスの認知から購買に至る過程をモデル化したものを購買行動プロセスモデルという。購買行動は生活者が接する情報に大きく左右されることから、情報メディアの変化に伴い購買行動モデルも変化している。
印刷会社の立場で捉えると、取引先がBtoCビジネスを展開しており発注先の販促戦略に印刷物が活用される場面では、生活者の購買行動モデルを踏まえたマーケティング視点が重要となる。
(JAGAT 丹羽 朋子)
(JAGATinfo 2026年1月号より一部転載)
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