「聞く力」を養う 〜『JAGAT info』5月号のご案内

掲載日:2023年5月15日

 「ヒアリング」という言葉がある。『広辞苑』を紐解くと「①聞くこと。特に、外国語教育における聞き取り。②公聴会。聴聞会。」という二つの意味・用例が紹介されているが、ビジネス用語としては「聞き取りによってお客様のことを理解すること」といった文脈の中で用いられていることが多いように思われる。見方を変えると、page2023の基調講演第一部でご講演いただいた高橋浩一氏(TORiX代表取締役)が力説されておられたように、「分かってくれているんだな」とお客様に感じてもらうためのプロセスの一つがヒアリングであるともいえる(基調講演は本誌3月号に抄録)。従ってその意味では、ヒアリングの能力とは「お客様の考えていることをきちんと聞き取れるかどうか」であり、端的に表現すると、ヒアリングとは「聞く力」ということになる。
 お客様が現在抱えている課題に寄り添い、解決の糸口を一緒に模索することに「創注」を実現するための鍵の一つがあるのだとすれば、「聞く力」はとても重要な構成要素となる。なぜなら「聞く力」がなければ、顧客が今何を問題だと考えているのかが詳しく把握できないわけで、それだと新たなビジネスの受注=「創注」につなげていくのは恐らく難しいだろう。
 では、「聞く力」を養うにはどのようにすればよいのだろうか。本誌最新号では、page2023の【C4】【S4】のセッションにおける講演要旨を収録しているが、一度読了後にそのような観点で、再度読み直してみていただきたい。そこで新たなヒントに出会えることができたのであれば、幸いである。

 さて、ここでお知らせを一つ。経営・戦略・設備の三つの視点から総合的に印刷会社経営を捉える唯一の調査である「第45回JAGAT印刷産業経営力調査」の回答送付を、5月26日(金)まで受け付けることにしたい。調査にご回答いただいた会社様にはもれなくレポートを謹呈するので、会員企業の特典として本調査をぜひご活用いただけたらと思う。ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
 ※調査票は3月上旬に郵送しましたが、下記リンク先からダウンロードすることも可能です。
  https://www.jagat.or.jp/archives/107109

 

『JAGAT info』2023年5月号のご案内

◯特集 page2023開催報告
SDGsとESGのリスクとチャンス
-収益性と社会性の両立に向けて-

 近年、SDGsやESG、CSRなど多数の社会性概念が提唱されている。さまざまな会社や地域社会ではそれぞれ独自の課題を抱えており、それらの社会的な課題解決を通じて自社の事業領域を広げている2社にご登壇いただいたのが、2月9日に開催されたpage2023カンファレンス【C4】「SDGsとESGのリスクとチャンス -収益性と社会性の両立に向けて-」である。
 従来の受け身型から課題解決型の営業活動へと移行するには、どのようにすればよいのか。そして社会性概念をどうすれば収益性に結び付けることができるのであろうか。印刷業界以外にも会社名が知られており、かつ規模や所在地が異なる2社の長年にわたる取り組みについて語っていただいた。

◯特別企画 page2023開催報告
DMの提案方法と創注までのプロセス公開
〜なぜ経験ゼロからできたのか?〜

 販促担当者の共通認識の一つに「プロモーションやダイレクトメール(DM)などの企画において、第三者の視点から助言が欲しい」というものがある。そこで、そのような相談や支援を引き受けることで、「創注」につなげていくことができるのではないか。特別企画では、2月9日に開催されたpage2023セミナー【S4】「DMの提案方法と創注までのプロセス公開 〜なぜ経験ゼロからできたのか?〜」の講演要旨を収録する。
 このセミナーは、DMの制作時における、クライアントへのヒアリングから提案までの一連の流れに焦点を当てたものである。その際にポイントとなる点について、3人の講師それぞれの立場から解説を行っていただいた。

(『JAGAT info』編集部)

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