品質検査装置の導入、動画制作への取り組みが進む

掲載日:2023年6月21日

「JAGAT印刷産業経営動向調査」より新技術、サービスの導入状況、満足度、導入意向を紹介する。

JAGATが毎年、会員企業を対象に実施している「印刷産業経営動向調査」の2022年度の調査結果から新技術/サービス/システムの導入状況、満足度、今後の導入意向についての結果を紹介する。本調査回答企業の平均従業員規模は130名、1社当たりの平均売上高は25.5億円であり、中堅クラスの印刷会社が中心である。

新技術、サービスの対象は以下に示す18項目である。経年変化を追いかけることを重視しつつ、状況の変化にあわせて少しずつ項目の入れ替えを行っている。

図1.新技術サービスの設問項目

設問内容としては、(1)現在導入しているかどうか、(2)導入している場合の満足度、(3)今後3年以内に導入予定があるかどうかの3つである。満足度については、A:大変満足、B:やや満足、C:普通、D:やや不満、E:非常に不満の5段階評価で回答してもらい、A:5点、B:2点、C:0点、D:-2点、E:-5点という重みづけで点数換算して満足度を数値化している。

図2は現在導入が多い順に並べたものである。第1位は6年連続でバリアブルデータ印刷であり、導入率は69.2%(前年 67.0%)であった。第2位は品質検査装置で68.1%、第3位は動画制作の52.1%となっている。品質検査装置は前年より11.1%の大幅増、動画制作は前年より9.1%増で初めて回答企業の過半数を超えた。動画制作が印刷会社のビジネスとして定着しつつある。
他に前年より導入が進んでいるのは、第5位のカッティングプロッター(11.6%増)、第9位の営業支援ツール(5.1%増)、第11位のプロセスレスプレート(5.5%増)となっている。

図2.導入率の高い順

図3は、2018年からの導入率の経年変化で特徴的な項目をピックアップしたものである。印刷物製造工程に関する項目では、プロセスレスプレートが15.2%から25.5%へ約1.7倍増となっている。これを基準として上回る増加率となっているのが、オンライン校正(23.2%から41.5%へ約1.8倍増)、CRMやSFAなどの営業支援ツール(12.1%から35.1%へ2.9倍増)、RPA(5.1%から19.2%へ3.8倍増)、資材料発注の電子化(2.0%から21.3%へ約10.5倍増)となっている。
コロナ禍で業務のオンライン化、在宅勤務対応が進んだことが窺える。

図3.近年導入が進んでいる技術・サービス

図4は前述の重みづけで満足度を数値化し、高い順に並べたものである。0ポイントが中心(可もなく不可もなく)となる。満足度の点数が最も高かったのはプロセスレスプレートで2.25ポイント、第2位はデジタル加飾で1.71ポイント、第3位は品質検査装置で1.48ポイントであった。プロセスレスプレートは昨年の11位(0.20ポイント)から大きく評価を上げている。デジタル加飾は導入社数は少ないものの前年に続いて高い評価となった。
注目すべき動きとして、RPAが前年の16位(マイナス0.71ポイント)から7位(0.81ポイント)と大幅に評価を上げている。RPAは「今後3年以内に導入したい技術・サービス」という設問においても上位にきている。一時期ブームになった後に沈静化した印象があったが再浮上している。試行錯誤の結果、自社なりの活用方法が見つかったと言えるかもしれない。

図4.1満足度の高い順

「JAGAT印刷産業経営動向調査」 結果をまとめた報告書は、10月に最新版が刊行予定です。

(研究調査部 花房 賢)