WebToPrintの普及で注目を集める「PrintTalk 1.5」がリリース

掲載日:2015年7月21日

CIP4は2015年7月14日に、印刷物の電子的な受発注に使われる標準規格であるPrintTalkのバージョン1.5をリリースすると発表した。プレスリリースの内容を紹介する。

PrintTalkは、印刷物の電子的な受発注のデータ交換に用いられる仕様である。 発注者のシステムとWebToPrintのeコマースのシステム、あるいは印刷物の見積りソフトやスケジューリングツール、そしてMISとの間のデータ交換に役立つ。 PrintTalk1.5は数か月前にリリースされたJDF1.5との親和性が高い。

2000年にPrintTalkが最初に紹介されたときは、JDFデータを入れる“封筒”であると説明された。取引情報はPrintTalkにより記述され、印刷物の仕様情報はJDFによって記述される。PrintTalkでは、印刷物の受発注で発生する多くのプロセス、例えば、見積り依頼、見積り、承認などを自動処理可能な枠組みを規定している。CIP4との早期の協力(*1)により、印刷物の購買プロセスで収集された印刷物の仕様情報は、JDFを介して製造プロセスにダイレクトに受け渡すことができる。これにより、印刷会社は顧客から受け取った印刷物の仕様情報を自社のシステムに再入力する手間が省ける。

「顧客に対して、より利便性の高い効率的な自動化を提供することは多くの印刷会社の優先課題である」とCIP4のCEOであるHenny van Esch氏は言う。JDFは印刷物の製造工程を自動化する。PrintTalkは、その自動化を顧客あるいはサービスの提供者にまで拡張するものである。小規模の印刷会社は、Web受発注のパッケージソフトにPrintTalkの機能が組み込まれることを要求し、規模の大きな印刷会社は自社開発のWebポータルシステムの中にPrintTalkが含まれることになる。

「ハイデルベルグ社では、WebToPrintの自社製品のなかでPrintTalkを使用している。同社の“Prinect”ワークフローシステムは、業界標準が基盤になっており、JDFとPDFが最も重要な要素となっているが、PrintTalkも2002年以来、同様に位置づけられてきた。WebToPrintのマーケットが成長するにつれて、その重要性はますます大きくなっている。JDFは製造工程の自動化に寄与し、PrintTalkは受発注工程の短縮とキャッシュフローの改善に寄与する」とハイデルベルグ社の副社長 Christopher Berti氏は言う。

PrintTalk1.5では、以下のような仕様が追加されている。
・ジョブの進捗状況の通知
・在庫指示
・一つの受注情報に複数のJDFアイテムの指定と請求書における比率計算の調整

仕様は追加されているが下位バージョンとの互換性は保たれている。
詳細については、www.PrintTalk.orgまで

*1 当初はPrintTalkの仕様を規定していたのはCIP4とは別の団体だった。

CS部 花房 賢