『レイアウト』

掲載日:2014年8月18日

※本記事の内容は掲載当時のものです。
 
書評:『レイアウト』

ギャヴィン・アンブローズ/ポール・ハリス共著
発行所 グラフィック社 菊判 175ページ 2730円

 

レイアウトとは、デザインの中に文字と画像という要素を配置することであり、そしてレイアウトの概念はページに文字と画像を配置するための構造をもたらすグリッド、コラム、モジュールの使い方が含まれる。

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本書はデザイナーが日ごろ使っている、基本的なレイアウトの概念の概略を述べたもので、デザインに使われているレイアウトデザインの原則を紹介するものである。これらの基礎的事項の多くは数十年の歴史を、あるいは何世紀もの歴史を有するものもあるが、DTPが始まってからは、あまり使われなくなっているようだ。従ってこれらの原則の多くは、プログラムが提供する既製の法則より明らかに利点がある、と著者は言う。

本書ではエディトリアルデザインにおける基本的なページの構成、効率の良いグリッドの使い方、美しい文字組みなどが作品とともに解説されている。「基本」「グリッド」「ページの要素」「形式と機能」「レイアウトを使う」、そして「ルールを破る」の6章にレイアウトの基本項目を分類している。

特に第1章「基本」と第2章の「グリッド」では、グリッドの有効性が強調されている。

シンメトリー(対称)なグリッドとアシンメトリー(非対称)なグリッドを使い分ける効用と、第6章の「ルールを破る」の『グリッドなしのレイアウト』の有効性が興味深い。

本書の「柱」と「丁付け」のレイアウトも、別記の『グラフィックデザイナーのブックデザイン』とともにユニークで、左ページを「ライト・サンセリフ」、右ページを「ボールド・サンセリフ」と使い分け、アクセントを付けているのが印象的である。

 

(2006年11月13日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)