インキのつぶれが悪い(203)

掲載日:2014年9月8日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:インキローラー

インキのつぶれが悪い(203)

 

【概要】
ロデルローラを使用してから,それ以前の印刷物の原稿より,つぶれが悪くなったのですが,これは仕方がないのでしょうか。(ニップは基準値の半分に設置。)
 機械は6年経過

 【解決方法】
  ロデルローラを使用してツブレが悪いとの事ですが、それはロデルローラの問題とは違 うと思います。
ツブレが悪いのは,他のゴムローラの表面がツルツルになり、グレージング現象を起こしているものと推察します。ゴムローラの表面は新しいうちは細かい(2~5ミクロン)の凹凸があり、ローラ洗浄後はゴムの表面がマット調になり艶が無くなります。その細かい凹凸の中に、紙粉・埃・スプレーパウダー・アラビヤゴム等が入り込み,固くなってゴム硬度も2~3度上がり、表面はツルツルになります。そうするとゴムローラの上にインキが着いていても、版の上でローラはスリップをおこして画像にインキを着けにくくしています。
ベタなどのインキの着きが悪いときは着けローラの劣化を考えてください。ロデルローラのセットはバイブレーションローラに対して4.5~5.0mmのニップ巾にして、版面に対して 3.0mmのニップ巾にします。ロデルローラは表面の繊維にゴミを抱き込みゴミ取り効果を 表しますが、手入れを怠ると逆にコミ出しローラになってしまいます。1~2週間に一度は 手入れをしてください。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)