アイデア印刷術 7.マット調印刷〔1〕

掲載日:2014年9月18日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

アナログ博物館:アイデア印刷術 7.マット調印刷〔1〕

 

マット調印刷〔1〕

通常,デザインする時,目立たせるため人目に付きやすい光る(=グロス調の)表現を選ぶ。これには,これまでの連載で解説した隆起印刷,艶印刷,ラメ印刷,光る印刷など多彩な表現がある。デザイナーなどクリエイターは,一通りグロス表現を経験すると,今度は,落ち着いた大人っぽいマット調表現に挑戦する。そのようなマット調グラフィックの表現に使いたい印刷たちを紹介する。

〔1〕疑似エッチング印刷(リオトーン,Eプリント)
 特殊なインキを用いて金属光沢面にスクリーン印刷することにより,従来の腐食法によらずにエッチング,エンボス調を出すことができ,高級感あふれる製品ができる。実際には,特殊インキの部分が盛り上がっているが,目の錯覚でエッチングしたように凹んで見える。コストは,エッチングより安価である。スクリーン印刷。
 〔ポイント〕
・素材は光沢がある物を使うほうが効果的。
・ポリオレフィン系樹脂への印刷は不適。
・折り曲げ加工がある場合は,デザイン的に折り目のところを避ける。
 〔応用例〕
POP,ディスプレイ,記念乗車券,トレーディングカード,テレホンカード,会員カード,パッケージなど。
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▲スぺシャリティーズペーパー(ミラーペーパー)
 周囲に擬似エッチングし印刷・装飾加工した鏡
 撮影 菊池ハルヤ

〔2〕UVマットニス印刷
クリヤーインキにマット剤を入れ,表面が光った素材に印刷すると浅くエッチング加工したような繊細な表現が可能である。スクリーン印刷。

〔3〕UVマット隆起印刷
UV隆起インキにマット剤を入れ,印刷すると表面がざらついた質感のある表現ができる。本の表紙へPP貼りした上に,ロゴをUVマット隆起印刷すると,艶の上のマットのロゴがコントラストでよく目立つ。スクリーン印刷。

〔4〕スケルトン印刷(RF加工)
オフセットUV印刷機+インラインコーターを使用した特殊表面加工。従来は,オフラインでのスクリーン印刷などの加工が必要であったが,本加工では,凹凸感,立体感,シボ感・疑似エンボス感を印刷のみで再現することが可能である。下地の絵柄を生かして製品に個性を与える。 〔特徴〕
・オフセット印刷により凹凸面を再現するため,スクリーン印刷に比べ細かい模様の再現が可能。
・グロスとマットの異なる2種類の質感を同一面上に一度に表現できる。
・蒸着紙や透明素材で,最も顕著に効果が現れる。
・再現性,耐久性,耐摩擦性に優れている。
 〔比較〕
スケルトン印刷,UVマットニス,疑似エッチング印刷は似ている。
 写真1のような繊細なデザインの表現には,UVマット印刷や疑似エッチング印刷などスクリーン印刷よりスケルトン印刷のほうがディテールが再現される。
 〔注意事項〕
 特殊液を使用しているので,上質系の素材は適さない。
 〔応用例〕
 表紙・ブックカバー,カード,ステッカー・ラベル,ファイル・包装紙,パッケージ,POPなど。
 〔原理〕図1参照。

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▲図1

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▲写真1スケルトン印刷見本
 撮影 菊池ハルヤ

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)