スマホで人気の電子コミックとその影響

掲載日:2016年1月21日

スマホがあれば、わずかな空き時間に気軽にコミックを楽しむことができる

電子書籍の主役は電子コミック

昨今の首都圏の電車内では、スマートフォンの画面に見入っている人々を数多く目にする。その中でもコミックを楽しんでいる人も多いようだ。電子コミックの良さは、思いついた時すぐに入手できること、大量のコンテンツを手軽に持ち歩けるため、外出時や交通機関での移動中などの空き時間にも楽しめることなどが挙げられる。

電子書籍市場は前年比30%増という急成長を続けており、2014年には1,200億円を超えている。しかし、その約80%はコミックが占めている。つまり、現在の国内電子書籍市場をリードしているのは電子コミックと言える。

新たなコミック媒体によってさらに普及が進展

現在流通している電子コミックは、過去に紙媒体として出版されたコンテンツの電子版だけではない。
例えば、comicoは電子コミック専用に書き下ろされた新作を無料で配信するアプリである。アマチュアが作品を投稿し、読者がクチコミで評価し、ランキングされるシステムである。人気作品となると紙媒体で出版されることになるため、新人作家の登竜門として確立しつつある。
また、紙媒体のコミックは「見開き」「ページめくり」を前提としてコマ割りをおこなうという特徴があった。ページをめくった際のインパクトによって、表現を強調する手法である。
それに対して、comicoではスマホに特化した「縦スクロール」方式を採用し、見開きを前提としない自由度の高いコマ割りの作品が生まれている。読者にとっても、直感的な操作でストーリーに集中しやすく、定着している。

既刊のコミックの電子版を扱うコミックストアでも、無料のためし読みサービスやアプリ型コミック雑誌など、新たな媒体や手法が続々と登場している。
KADOKAWAグループの電子書籍配信サービスBOOK☆WALKERは、ライトノベルや電子コミックの品揃えでは他の電子書籍ストアと一線を画しており、根強いファンを掴んでいると言われている。

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電子コミックは従来の紙媒体を電子版にしたものに加え、双方向のコミュニケーションが可能な新たな媒体としても成長している。電子コミックを取り巻く環境は、今後の電子書籍の先行指標と言えるかもしれない。

(JAGAT研究調査部 千葉 弘幸)

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