【DTPキーワード】原稿整理

掲載日:2016年9月5日
このエントリーをはてなブックマークに追加

原稿の表記の様式は、著者の思想および感情の表現の一部である。また1 冊の本の中で表記形式の不統一は、読者が内容を理解するときに混乱を起こす。
原稿整理での表記の統一(形式的整理)は、第一に著者の意向を尊重して執筆方針を読みとって作業を進め、その中での未整理の部分、不統一の部分を正す。
表記について、あらかじめ著者との間に「執筆要項」を作成してそれに従って作業する場合もある。
出版社単位あるいは雑誌媒体に応じて、原稿表記についてのルールを整理して、明文化したハウスルールを作っている場合もある。
文章については、文体の統一、漢字の使用範囲、漢字の字体、かなづかい、送りがな、引用文の表記、ルビをどのようにするか、などを決める。意図的に旧かなづかいがされている場合もあるので、その原則を知っておく。
用語については、外来語の表記、外国の国名/地名/人名、学術用語の表記、などを決める。
組版については、繰り返し符号、かぎや括弧および句読点、年月日、数詞、単位記号、括弧と句読点の関連、などの組み方原則を決める。
書籍全体では、見出し、注、文献のあげ方、索引のオーダー、改丁/改ページ/改行/追い込み/追い出し、行あき/字下がり/文字サイズを下げるところ、などを決める。

見出し[heading ; headline]

書物において、記事の冒頭に置かれ、その記事の内容が一目で分かるように書かれた標題。編、章、節などの区分に応じて、大見出し、中見出し、小見出しと段階的に見出しが付けられる。見出しには通常本文よりも大きい文字や太い文字を用いる。

注[note]

本文中の用語、または図表などの一部についての補助的な説明。本文上部の頭注、本文下部の脚注、本文中の割注、小口側の傍注、編、章、節、段落などの次や巻末に入る後注などがある。

文献[literature]

筆録・印刷物などで、以前の制度や文物などを研究する参考資料。多くは参考文献として巻末に記載する。

索引[index]

本文中の主要な語句や項目を検索しやすいように抽出して50 音順かアルファベット順にまとめその記載ページを記したもの。多くは巻末に記載する。

改丁

章見出しなどでページを改め、次の奇数ページからまた組み始めること。奇数ページで終わった場合、次の偶数ページは白となる。

改ページ[form feed]

章見出しなどでページを改めて組版すること。奇数偶数に関係なくページが変わればよい。

改行[line feed]

文字組版の際、行を改めて次の行に替え文章を組むこと。

追い込み[run in ; run on]

改行、改段、改ページなどをやめて、前の行に続けて組むこと。

追い出し[run out]

禁則処理における行頭行末禁則の句読点や約物類などの処理方法の一つ。行頭禁則の句読点などが行頭にくる場合に、前行の文字を次行に追い出し、前行の空いた分のアキをスペーシング処理して行末揃えを行う。
ここまでを追い出し処理という。

行あき

前行と次行のアキの距離。行間。

字下がり[indention]

所定の字詰めより下げて組むこと。和文組版では段落の1 行目の行頭を1 文字下げる場合が多い。

文字サイズ

文字の大きさ。Q(1Q = 0.25mm)/ ポイント(1point ≒0.3528mm)で示す。

原稿整理

有限会社 セネカ
代表取締役
野尻 研一
(Jagat info 2014年6月号より転載)