【DTPキーワード】ユニバーサルデザイン

掲載日:2016年9月7日
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ユニバーサルデザインとは、全ての人のためのデザインを意味し、最初からできるだけ多くの人が利用可能であるようなデザインを目指している。
ユニバーサルデザインは、

  1. (1) 公平性:誰でも使いこなすことができる。
  2. (2) 自由度:例えば右利き、左利き両方が使いやすい。
  3. (3) 簡単性:作りが簡単で、使い方も分かりやすい。
  4. (4) 分かりやすさ:知りたい情報がすぐに理解できる。
  5. (5) 安全性:使用に安全、安心で、誤使用しても危険が少ない。
  6. (6) 省体力:長時間使用しても、体への負担が少ない。
  7. (7) スペースの確保:どのような体格、姿勢、動きでも快適に使える大きさ、広さがある。

などの考え方が基本となっている。

文字や色については、誤読などをさせずに認識しやすく、かつレベルの高さを保つデザインが必要である。
文字におけるユニバーサルデザインで特に重要なのは、視認性や判読性、デザイン性、可読性がある。

視覚感度は年齢による低下や特定の色の区別がしにくい色弱者などのように知覚を制限するものがある。
それを踏まえた配色や色使いをしていくことが、カラーユニバーサルデザインであり、誰にでも見やすい色の組み合わせやデザインを行うことが求められている。

文字の代わりにピクトグラム(「絵文字」「絵単語」)が、何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号(サイン)の一つとして用いられる。また、地色
と図表に明度差のある2 色を用いて、表したい概念を単純な図として表現する技法が用いられる。

紙面のデザインで強調したい言葉があるときは、色だけでなく文字のポイントを大きくしたり、書体を変えたり、もしくは下線や傍点、囲み枠といった方法を使う。

ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いは以下である。ユニバーサルデザインは広範囲の人、つまり地球上の全ての人が対象となるが、バリアフリーは高
年齢者、障害者などのように範囲が絞られる。

フォントもユニバーサルデザインに対応したUDフォントがリリースされている。
1. 読みやすく、誤読することも少ない。2. 形状がシンプルで分かりやすい、という目的でデザインされた文字のことである。例えばI 社UD フォントの特徴は、
読みやすく、誤読されにくいを基本コンセプトに、以下の4 つの観点から開発された。

  1. (1) 視認性:文字一つひとつの構成要素を視認しやすくする。
  2. (2) 判読性:誤読しにくく、ほかの文字との判別を分かりやすくする。
  3. (3) デザイン性:シンプルさ、美しさ、整理、整合性を持つ。
  4. (4) 可読性:文字列としての単語・文章の読みやすさ。としている。

UD フォントは役所や病院などの案内表示、取扱説明書、携帯電話の表示、新聞/雑誌などで有用である。
ユニバーサルデザイン

有限会社 セネカ
代表取締役
野尻 研一
(Jagat info 2014年月12号より転載)