「DTPエキスパートカリキュラム」第12版発表 ~ 試験範囲が示す人物像、役割

掲載日:2016年11月22日
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DTPエキスパート認証試験の最新カリキュラム改訂(第12版)を11/18に発表した。
カリキュラムは試験の出題範囲をまとめたものであるが、同時に目指すべき有資格者の人物像や役割も示している。

 

「DTPエキスパートカリキュラム」は初版を1993年に発表し、以来2年毎に技術革新やビジネスのトレンドに対応して改訂を重ねてきた。過去の改訂版発表は12月に行ってきたが、今回1ヶ月早めたのは次回47期試験をこれまでより1ヶ月早い2月に初めて実施するため、その試験範囲を前倒しで提示する必要があったためである。

カリキュラムはDTPエキスパート認証試験の学科試験で、合格基準を満たすべき5つのカテゴリー「DTP概論→第12版よりDTP」、「色」、「印刷技術」、「情報システム」、「コミュニケーション」に沿って、それぞれ学ぶべき項目と小解説が記述されており、試験問題はその範囲で出題されている。
したがって、DTPエキスパートを目指す人はすべて、まずはこのカリキュラムを入手して必要な知識範囲やレベルを確認することになるのだが、そもそもなぜその項目に関する知識が求められるのかをたどると、取りも直さずDTPエキスパートが目指している人物像や果たすべき役割に行き着くことになり、試験問題に正解して合格することが最終目的ではなく、印刷・メディア業界で現役で活躍し続けられる人を育成することが目的であることがわかるであろう。
言い換えると「DTPエキスパートカリキュラム」は、これからの業界を担う人材が学ぶべき指針として改訂を続けて来ているのである。

今回の改訂で追加された最も大きな項目は、前回のカリキュラム改訂(第11版)から新たに加わった「コミュニケーション」カテゴリーの「マーケティング活動と印刷メディア」である。
もともと「よいコミュニケーション」という言葉がDTPエキスパートカリキュラムのキーワードとして掲げられていたが、これはどちらかというと内部の制作工程間のスムーズなコミュニケーションを表していた。
また、初期のDTPエキスパートカリキュラムは、DTPで“良い印刷物をつくる”ために必要な知識、スキルに絞って構成したと謳っていたが、当時の“良い印刷物”とは、コストと納期を守って美しく制作されたもの、という生産指向がベースにあった。
印刷会社は納品すればすべて完了という認識で良かった時代にはそれが最も重要であったかもしれないが、本来顧客にとっては納品はスタートであり、良い印刷物の定義は“美しい”ものではなく“効果をもたらす”ものである。
コミュニケーションメディアの進化とともに、生活者の行動(情報の取得~購買行動)が大きく変化してきた現代にあって、印刷会社も従来の生産志向からマーケティング志向へと舵を切り、DTPエキスパートは内部だけではなく顧客とのコミュニケーションをしっかりととり、さらに顧客のコミュニケーション活動すなわちマーケティングを支援していく必要があり、その関連知識が求められているからである

その他新カリキュラムではDTPエキスパートとして求められる人物像に照らして、各項目の追加・削除と再編集を行っている。
JAGATでは受験をする、しないにかかわらず、経営・管理層から企画・営業・制作現場に至るまで、印刷及び関連業界に携わるすべての方には是非、この最新「DTPエキスパートカリキュラム」を手にとって一度目を通していただきたいと考えている。

なお、新カリキュラムの内容はWebサイト上で確認できるが、冊子としても無料で入手が可能である。来年のpage2017(2/8~10)においてはJAGATコーナーにて、新カリキュラムを配布する予定である。

(JAGAT CS部 橋本 和弥)

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東京開催 : 2017年1月18日(水)
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◆関連情報
DTPエキスパートカリキュラム第12版
資料請求(カリキュラム冊子無料送付)
第47期DTPエキスパート認証試験(2017年2月26日)