page2017はマーケティング三昧

掲載日:2017年1月5日

 

新年あけまして、おめでとうございます。
今年のpage2017は、今までJAGATが追い求めていた一つの結論として、印刷ビジネスとマーケティングをリンクさせることにフォーカスしたカンファレンスを多数用意しています。

印刷ビジネスがこれまで置かれていた状況といえば、少し言い過ぎかもしれないが、印刷物が唯一絶対と言えるメディアの王様で、競合するメディアが他に無かったので、印刷物の競合ポイントが、品質であったり、納期であったり(印刷物同士での競争)、コストであったり(これも印刷物同士の競争)、と印刷物の根本的な価値観を問うことなく、“はじめから印刷物ありき”で競合していたと言える。

色々意見はあると思うがこれはやはり真実で、印刷物無しということは選択肢から除外されて議論していたと言える。しかし、インターネットの登場と共に状況が大きく変わったのは衆知のことである。

TVのCMでも画面が美しいとか芸術的だとか、印刷物のように評価される場合も多い。しかし、そのCMが本当に評価されるのは、世間に商品が広まり、売上げが上がったことであることに変わりはない。「良いCMを作ってくれてありがとう」というCMだけへの感謝の言葉はあり得ない。売上げ数字が上がったあとに、芸術的なCM大賞を受賞したりしたときに初めて褒められるということである。

だから印刷物以外のメディアはマーケティング活動なのだから、TVCMはマーケティングツールとして正当に評価されるということなのである。インターネットが登場してから、個別にマーケティング情報にリーチ出来るようになると、マーケティングも最大公約数(言い方で意味が変わってしまうと思うが、万人に広くアピールする内容で画一的にPRするという意味)的にアプローチするマスマーケティングから個別にアタックするOne to oneマーケティングに移ってきて、最新マーケティング理論の進化はその線に沿ってとどまることを知らず、ものすごい勢いで世の中を変えつつある。

世の中が進化してくると、人材育成にしても親方に弟子入りして職人技を修行する徒弟制度から、大学で学問として技術を学んでから社会に出て実践的なノウハウを学ぶというシステムに移行してくるが、技術的なことなら確かにそういうことが言えると思う。

しかし世の中、大学を卒業してくる大半は文化系の学生が多いわけで、経済とか法律を学んで社会に出る人がほとんどである。社会に出ると教養は大事で(学生の時には分からないが)、大学四年間に勉強したことを基礎として社会的な教養を身につけることは立派な社会人になるためには役立つ。

しかし、文化系の勉強が社会に出てダイレクトに役立つかどうかについて言い切るのは少々難しい。経済理論は世間話のときには役に立つが、為替変動や株価変動をマクロ的な見地で予想するのは、一部のシンクタンクの重鎮やアナリストだけだろう。

私は大学で実学ばかりやっていたので、経済理論といってもピンと来なかったのだが、「どこどこの大学を卒業しました」という勲章は、元々の頭の良さもあるだろうし、人間に与えられた時間は等しいのだから、その同じ時間内に効率よく勉強して試験勉強に勝ち残ったという実績も大きいと言える。効率が悪くても人が遊んでいるときに我慢して頑張ったという結果も大きいと言えるだろう。

そういう経験を持っているのだから、社会に出て営業に配属になったとしても、モノを売るためにどんな知識を仕入れるべきか?お客さんが何を欲しているかを正確に察知するには受験勉強のプロセスで、ある程度はシミュレーションできるということだったのだ。

受験勉強を100%肯定するわけではないが、100%否定することも出来ないということは認めたいと思う。受験勉強に生き残った人は要領が悪くないので、営業成績も上げる可能性があるということである(もちろん例外のないルールはない)。

しかし、しかし、ITが全盛になってくると経済学の領域、広く文系の領域でも社会生活に学校で勉強するようなことがダイレクトに関係してくる。経済理論というよりマーケティングの世界、それもマスマーケティングの世界だと多分に古典的な経済理論っぽかったが、One to oneマーケティング、デジタルマーケティング(IT全盛から個別マーケティングが可能になったことなので、デジタルマーケティングと呼ばせていただく)の場合は対象が個に移ってきたため、人間の実生活における物事の道理とか常識が分からないと実際のアクションに結びつかないために、大学で勉強した理論をより実生活に密着して考えることで学問がより活きてくると言える。

商業印刷物の場合、印刷物はマーケティングツールであり、このようなマーケティング理論が分かっているか、いないかではそのビジネスの展開が大きく異なってくると言える。

page2017での基調講演では、この辺をじっくり、印刷業界に落として考えてみたいと思っている。初日の2017年2月8日は北米をはじめとしたマーケティングを教える大学での標準的な教科書として使用されている「ザ・マーケティング」の著者であるロン・ジェイコブス氏をお呼びして、北米における最新マーケティング事情を直接本人の口からお伺いする。

元々「ザ・マーケティング」はボブ・ストーン氏が書き下ろした教科書だが、ストーン氏が亡くなってからはロン・ジェイコブス氏が改訂して、最新マーケティング理論に最適の品質を維持して今日の名声を得ている。基調講演1ではモデレーターを中央大学ビジネススクール大学院の田中洋教授にお願いして、皆さんが北米と日本での環境差として疑問に思っていることを指摘して、ロン・ジェイコブス氏と議論していただき、よりマーケティングについて理解を深めていただく。田中先生もマーケティング学界の重鎮ではあるが出身が電通ということもあり、学者というよりも実践派の研究者と言える。

この「ザ・マーケティング」は印刷ビジネスに関わる方には是非読んでもらいたい内容なのだが、ホンの少し待てるなら2月8日の基調講演直後にロン・ジェイコブス氏のサイン販売会を予定しているので、是非参加してみてはいかがだろうか?思い出に残ると思うので読む気力も沸いてくると思う。

(JAGAT専務理事 郡司秀明)

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