第48期DTPエキスパート認証試験結果総評

掲載日:2017年10月31日
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2017年8月27日実施第48期試験の結果総評を掲載する。

1.結果概要

学科試験と実技試験(課題制作)を併せた最終合格者は174名(合格率43.2%)

2.学科試験

カリキュラム第12版をベースに、新出題項目を加えて全103問(707設問)の出題により実施した、
第48期新出題内容の詳細は、下記の通り。

実務に役立つDTPエキスパート知識–第48期試験出題傾向–

当日試験には403名が取り組み、うち230名が合格となった。(学科合格率57.1%)

3.実技試験

学科試験当日配布される『課題制作要項』に基づき4週間で取り組んでいただく実技試験については、

  • 冊子課題(携帯電話マニュアル)
  • ペラ物課題(DMはがき-飲食店のキャンペーン案内)

を出題し、327名が期間内に課題制作物を提出した。

実技試験合格者:238名  (提出者ベースで69.8%)  

提出課題総評

従来よりPDF/X-1aと規定していた作品提出形式について、今回より製作環境の変化を踏まえてPDF/X-4を追加した。
PDF/X-4とPDF/X-1aの提出割合は、約3:2であった。今後も引き続き、受験者の制作環境傾向とともに、提出物形式を変更する可能性がある。

ペラもの課題DMはがきについては、44期、46期に続き、3回目の出題となった。
制作にあたっての条件については、要件にある点はもちろん、要件にない点であっても郵便物の規定に従って制作することが求められる。
下記の点については、知識の再確認が必要と見受けられた。

●郵便物別納(後納)などのマーク

  • 別納
  • 後納
  • 差出事業所名(郵便局名)
  • 広告郵便の送達余裕承諾
  • マーク内広告表示可能エリア

などについて詳細に規定されている。
発送に関する点もディレクションとして把握し、販促施策の全体像の中で対応することが求められる点から、従来課題に加えた要件である。

●宛名面の通信文等印字可能エリア
縦置きの場合は下半分(2分の1)、横置きの場合は左半分(2分の1)が通信文の印字範囲と定められている。これを越えた範囲を印字エリアとしているもので、宛名部分との区分けが明確にできないと思われるものについては、大きく減点した。
これまで課題制作において宛名データ自体に関しては考慮対象となっていないが、すでに学科問題でDMの宛名情報データの取り扱いなどについても取り上げている。こういった可変印字データのハンドリング、印字エリア確保の常識なども、マーケティング活動に印刷業が関わっていく際に必要となるスキルとなる点をご留意いただければと思う。

課題の新要件により上記に関する点など多少の混乱は見られたが、はがき裏面の本文など作品全体については、全般に良好な仕上がりのものが多く、飲食店の案内という身近なテーマがうまく表現されていた。
それだけに、制作の手引きの記載事項の確認漏れによる減点が残念である。
印刷物需要の変化とともに制作側に求められる対応が複雑化する現況も含め、実技試験を通して実感していただく試験となっている。

2017.10 DTPエキスパート認証委員会
文責:JAGAT資格制度事務局 丹羽 朋子
第48期DTPエキスパート認証試験合格発表 10月31日 9:30公開予定