購買行動プロセスモデルの変遷と企画提案

掲載日:2018年3月2日
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マーケティングソリューションの企画・提案には、購買行動プロセスモデルが反映されていなければならない。

購買行動プロセスモデルの変遷

生活者が製品やサービスを購買する際に、どのようにそれを認知し、購買に至るかというプロセスをモデル化したものを購買行動(または消費行動)プロセスモデルと言う。

その代表的なものはAIDMA(アイドマ)と呼ばれており、1920年代にアメリカで提唱され、広告宣伝に対する消費者の心理のプロセスを表したとされている。

AIDMA
1.Attention(注目・認知する)
2.Interest(興味・関心を持つ)
3.Desire(欲求)
4.Memory(記憶)
5.Action(行動:購買する)

かつては、マスマーケティングの代表的な手法として効果的だった。例えば、テレビCMで企業名や商品名を連呼することや、心地よいメロディに乗せて記憶させるだけで、確実に販売増につながった時代もあった。
現代でも、特に高齢者向けの製品・サービスにおいては、テレビCMや新聞・雑誌広告も効果的であるとされている。

インターネット時代以降の購買行動プロセス

近年は、インターネットやスマートフォンの普及により、新たな購買行動プロセスモデルが提唱されるようになった。

AISAS
1.Attention(注目・認知する)
2.Interest(興味・関心を持つ)
3.Search(検索)
4.Action(行動:購買する)
5.Share(製品の評価を共有)

生活者が自ら、ウェブを検索して情報を収集し、購買に至ること、購買後にその評価や感想をシェアするというプロセスである。一方的な広告が受け入れられなくなっていることを表している。
シェアされた結果、つまり口コミによって、さらに認知され、関心が集まると言ったサイクルが生まれる。

SIPS
1.Sympathize(共感する)
2.Identify(確認する)
3.Participate(「いいね!」やリツイートなどによって参加する)
4.Share & Spread(製品の評価を共有・拡散する)

ソーシャルメディアでは、理性や価値観、感情などの共感があって情報が伝わるものである。そして、共感したものが本当に有用で合理的かどうかを、口コミやレビュー、ランキングなどを通じて確認する。さらに、「いいね!」やリツイートによって自身の考えを緩やかに表明し、さらに製品の評価や感想を共有・拡散すると言うプロセスである。
共有・拡散されたコメントや口コミは、さらに他の誰かに共感されるというサイクルが生まれていく。

DECAX(デキャックス)
1.Discovery(有益なコンテンツを発見)
2.Engage(コンテンツの発信元との関係を深める)
3.Check(発信元の情報を確認する)
4.Action(購買する)
5.eXperience(製品を体験して情報を共有する)

コンテンツマーケティングとは、広告宣伝色を排し、生活者に有益なコンテンツを発信することで、結果的に企業やブランドとのエンゲージメントを生成する(ファンを育成する)手法である。生活者が自らコンテンツを発見することから始まるプロセスである。

購買行動プロセスモデルと企画提案

インターネットやスマートフォンが普及したことで、人々のメディア接触の時間やスタイルも大きく変化した。
例えば、昨今の若者はリアルタイムでテレビ放送を見なくなったと言われている。また、首都圏の新聞の定期購読者は50~60代以上が中心であり、40代以下では少数派となったと言われている。雑誌広告も低迷が続いている。
マス広告の効果が限定的になったのは、明らかである。
その反面、ウェブやソーシャルメディアを利用したマーケティング活動やコンテンツマーケティングが大きな位置を占めるようになりつつある。

企業へのクロスメディア提案においては、前述のような購買行動プロセスを反映する施策が必要である。
「検索」や「共有」を促す施策を盛り込み、AISASモデルを実現すること。
または、「共感」を生み出し、ソーシャルメディアを活用して「共有・拡散」を促す施策を行うこと。
生活者に有用なコンテンツを発信して、企業やブランドのファンを育成する施策などである。

購買行動プロセスモデルは、知識として理解しているだけでは十分でない。企画提案の内容は、さまざまなメディアを駆使し、購買行動プロセスに則して生活者を誘導し、最終的にクライアントの課題を解決することが求められている。

(資格制度事務局 千葉 弘幸)

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