出版社に人気の「次世代ワークフロー(RGB+CMYK混在入稿)」

掲載日:2024年1月29日

さてpage2024カンファレンス・セミナーの稼ぎ頭(私の立場からの捉え方)は生成AIという認識なのだが、意外にも「C5 次世代ワークフロー結論編(RGBプラスCMYK混在入稿)」がメーカーからだけではなく、コンテンツ発信側(出版社等)の技術部門から注目を集めている。

 

もちろん広色域印刷としてのRGB入稿はあるのだが、RGB中心のデータハンドリングでCMYKデータが便利なら無理してRGB指定するのではなく、CMYKのままで入稿してやろうということなのだ。

 

私もこの道何十年CMYKの世界でドップリ浸かって生きているので、Japan Colorをはじめとした標準印刷規格に今さらもの申すわけではなく、Japan Colorで広がった印刷ビジネスやメリットは非常に大きいと思っている。現実に北京印刷学院(印刷の専門大学で、国立というか?印刷はプロパガンダなので共産党配下)でJapan Colorの普及セミナーも行ったくらいだ。名前以外は、私としては難癖つけるところは無い(ジャパンカラーというのはねぇ?せめてアジアンカラー??)。

 

JAGATではデジタル印刷化を推進しており、出版物の95%以上はデジタル印刷化を達成している。印刷をただデジタル化するだけではなく、データハンドリング自体も見直そうと、RGB入稿(プラスCMYK混在入稿)にもトライし出した。印刷物の使われ方も大きく変化している中、例えば今回のpage2024ポスターでは二種類製作し、白抜き文字のもの(連山だけ)は紙を意識したもので、カラフルな方(連山と水)はデジタルサイネージ等のRGBデータを強く意識している。JAGATでは当面二面性(CMYK命とRGB)に対してフレキシブルに対応していこうと思っている。だって広告代理店が絡んだ場合は「RGB入稿してください」と紋切り型では言えないでしょ。

 

表現が難しくデジタル印刷機のICCプロファイルの質にも大きく左右されるのだが、現在のデジタル印刷機はJapan Colorを意識したものなので、RGB入稿してもとんでもない結果になることは無い。特にJapan Colorの再現色域内は忠実再現、そこから少し伸びている色調再現はそのままの延長上として再現される現在の色調品質は大変好ましい。無理矢理Japan Colorに納めようということもないので重箱の隅を何十年追い求めた私の目にも好ましく感じているのだ。ICCプロファイルのまとめ方にもよるのだが、色差重視で色差がΔEいくつ以内に収まっていないとイケないだけを追い求めるとどうも良いことは無いようである。またトラッピングだが普通の紙に印刷するケースでは必要ないようだし、USMのかけ方もこの道何十年CMYKの世界で生きてきた人間にはこだわりがあるが、スマートシャープネスだったら問題になることも希になるだろうと現時点では考えている。カンファレンス当日にどのようにまとまるか?はお楽しみにしていただきたい。

(専務理事 郡司 秀明)