DTPエキスパート認証制度では、印刷物制作全般の学習に加え、今後の印刷産業を担うために抑えておくべきビジネスの最新動向も扱う。新項目出題に柔軟に対応できるよう、eラーニング教材を提供している。
2024年3月実施の第61期試験より導入したCBT方式の学科試験に対応する学習手段として、2024年7月に新規eラーニング教材の第一弾「【CBT方式完全対応eラーニング教材】DTPエキスパート学科問題演習ドリル」をリリースした。このドリルは約660設問(解答箇所を1設問としてカウント)から構成される。カリキュラムで示した5つのカテゴリー[DTP][色][印刷技術][情報システム][コミュニケーションと印刷ビジネス]のグループごとに、ドリルモードで順不同に出題される問題を繰り返し解くことで知識を定着させる。さらにテストモードでは、全カテゴリーからランダムに出題される約30テーマの問題に解答し、達成度を確かめることも可能だ。
リリース以降、多くの方に活用されており、2024年8月に実施した試験では、全体の学科合格率42.5%に対して本教材の利用者の学科合格率は71.4%に上った。試験前の対策ツールとして一定の効果が表れているといえる。
このドリルは「問題演習を通じて、問われているテーマの周辺知識を確かめ知識を定着させる」学習方法である。
これは印刷工程全般にわたる一定の基礎知識を備えた学習者には有効であるが、これから印刷を学ぶ人や印刷会社の新入社員、印刷発注者やデジタルメディアの制作者など印刷物制作の基礎知識から積み上げていきたい学習者はハードルを感じるかもしれない。
従来、そのような初学者に向けては、通信教育講座「DTPエキスパート基本知識講座」で基礎テキスト郵送による課題への取り組みによって学習するコースや、学科試験のポイントを解説する短時間のライブ配信オンラインセミナーを提供してきた。
だが、eラーニングの導入によって教材や課題のアップデートに柔軟に対応できる環境が整ったことや、eラーニング問題演習ドリルが多くの学習者にとってなじみやすい学習方法であるという一定の実績が得られたことを踏まえ、今後はDTPエキスパートカリキュラム全体を基礎から総合的に学べる動画講座を提供することを計画している。
いずれのコースも、インターネットに接続したパソコンやタブレット、スマートフォンなどからアクセスできるため、落ち着いて学習したいときはパソコンで、通勤途中に1 項目のみ視聴したいときはスマートフォンでといったように、受講者の学習場面に応じた利用が可能である。
(JAGAT 丹羽朋子) Jagat Info 2025年2月号より加筆修正
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