印刷業定点調査 各地の声(2018年4月度)

掲載日:2018年8月27日

4月の売上高は+0.1%。2017年10月以来6カ月ぶりのプラス。

地域別では、首都圏(△0.6%)は4カ月連続のマイナス。名古屋圏(△1.4%)は2カ月ぶりのマイナス。昨年11月以降はやや減少傾向にあって浮き沈みが大きく、過去数年来の高位安定という感じではなくなっている。大阪圏(+0.5%)は3月に6カ月ぶりのマイナスに転じたが、4月は再びプラスに転じ、過去数年になく安定して推移している。

業種・業態別では、商業印刷(△1.6%)が6カ月連続のマイナス。この6カ月は平均△2.5%で推移、下げ幅がやや大きい。商業印刷のマイナスは2016年4月以降に常態化したが、堅調を示す公的統計も少なからずあり、一概に状況を言い表すことが難しい。「商業印刷」の指す概念が広がって、捉え方が変化している可能性もある。 東京に多い出版印刷(+0.8%)は2カ月連続のプラス。昨年11月以降はほぼプラス圏で堅調に推移、マーケットが拡大しているわけではないが、取扱い企業の減少による集約化の面があるようだ。2018年は4月まで平均+1.6%とプラス基調にある。地方に多い総合印刷(△3.5%)は4カ月連続の減少と苦戦が顕著。紙器・事務・その他(+3.6%)は3カ月連続のプラス、プラス幅は3カ月連続の拡大と好調。 規模別では300人以上(+3.8%)が3カ月ぶりのプラス、30人未満(△2.6%)が5カ月ぶりのマイナスと好対照。市場の成長局面では規模の大きいほうに有利に働いている。

【印刷会社経営者の声】

東京:商業

営業所開設でバタバタしていました。新たな拠点を軸に、社の成長へ向け全社最適化を進めていきたい。

長野:総合

これからの事業戦略では、まず採用戦略で人材の確保と人材の育成が基本と考えます。業績が好調な企業では必ず行われている、採用・定着戦略等人材の確保こそが健全な経営を行うための改善策として必要と考えます。

岐阜:総合

大手得意先のペーパーレス圧力が一段と強く、数量減や案件の喪失が続いている。得意先がペーパーレス化サービスを提案するための企画書を作成するという、何とも皮肉な仕事も…。IoT時代、我々の想像以上にペーパーレス化が進んでいる。

和歌山:商業

今年になってポカミスが多い。しょうもない些細なことの積み重ねで発生していることを改めて認識するとともに、人間だれでもやってしまうこのミスの本質を捉えて、早急にポカヨケの対策を構築したい。

山口:総合

地方では運賃値上がりの影響が大きくなっています。

(『JAGAT info』 2018年6月号,印刷経営ウォッチング,p56-57より抜粋して要約)