生成AIで広がるクリエイターの可能性と働き方

掲載日:2025年7月15日

クリエイティブ業界に身を置く多くの方が「本来の創造的な仕事に集中したいのに、ルーティンワークや事務作業に追われてしまう」、「新しいアイデアや表現を生み出す余裕が持てない」といった課題を感じているのではないでしょうか。

デジタル化や業務の複雑化が進む現代では、このような問題が一層顕著になっています。加えて、日本社会では少子高齢化や労働人口の減少が深刻化し、一人ひとりの生産性向上が急務となっています。そうした時代背景を受け、AI、特に生成AIの活用がクリエイティブ分野でも大きな注目を集めています。

生成AIの注目と活用の可能性
経済産業省と総務省が2025年3月に発表した「AI事業者ガイドライン」では、AIの利活用が社会全体のイノベーションを促進し、業務効率化や新たな価値創出につながることが明記されています。同ガイドラインは、AIの開発者・提供者・利用者のすべてが、AIのリスクと便益を正しく認識し、AIのライフサイクル全体で適切な対策を講じることの重要性を強調しています。

特に生成AIについては画像・テキスト・音声など多様なメディアの自動生成が可能となり、従来人間が多くの時間を割いていた下準備やアイデア出し、情報収集といった工程を大幅に効率化できる点が評価されています。またAIの導入によって「反復的な業務や大量のデータ処理を自動化し、人間はより創造的なタスクや意思決定に集中できる」とされており、クリエイターが本来の強みを発揮できる環境づくりが推奨されています。

デジタル庁が2025年5月に発表した「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン」でも、生成AIの積極的な活用が行政や民間企業の業務効率化、サービス向上に寄与することが示されています。このような公的機関の動きは、AI活用が一過性のブームではなく、社会全体の生産性向上や新たな価値創出のための基盤技術として位置付けられていることを示しています。

AI活用に伴う課題とマインドセットの重要性
しかし一方で、AIの進化に対して「自分の仕事が奪われるのではないか」、「AIの出力をどこまで信用してよいのか」といった不安や戸惑いの声も根強く存在します。経済産業省のガイドラインでは、AIのリスクとして誤情報の拡散やバイアス、説明責任の問題なども指摘されており、AIを使いこなすためには適切な知識とマインドセットが不可欠であるとされています。また、AIの出力をそのまま鵜呑みにせず、最終的な判断や価値付けは人間が担うべきだという考え方が強調されています。これは、クリエイターにとっても極めて重要な観点です。AIの得意分野と人間の感性や独自性をどう組み合わせるかが、これからの時代のクリエイティブワークの質を左右します。

このような課題と期待を踏まえ、JAGATでは「AIと楽しく働く!クリエイターのための生成AIマインドセット」講座を企画しました。AIを“脅威”ではなく“最高のパートナー”として迎え入れるための考え方と実践方法を学ぶことができます。たとえば、Adobe Photoshopの生成AI機能を実際に使いながら、日々の業務をどう効率化できるか、またAIを活用することでどのように新しいアイデアを生み出せるかを体感できます。

今こそ、AIとクリエイティブな未来を切り拓く時です。「AIと楽しく働く!クリエイターのための生成AIマインドセット」講座は、そんな新しい時代の第一歩を踏み出したい方に最適です。ぜひ本講座で、AI時代のクリエイターとして、先を行く力を身につけてみませんか。

 

AIと楽しく働く!クリエイターのための生成AIマインドセット
8月28日(木)13:00~15:00

(研究・教育部 河原 啓太)