成長戦略を描き、実行できる組織をつくる

掲載日:2026年1月26日

人と組織を“再接続(Re:Connect)”する、戦略・仕組み・人材開発をどのように連動させてきたのか。岐阜文芸社と文方社の2社の試行錯誤のプロセスを紹介する。

環境変化が激しいなか、自社の成長戦略をどうつくっていくかは各印刷会社共通の課題といえる。しかし優れた戦略があっても実行できなければ絵に描いた餅になってしまう。印刷業界は、受注産業ということもあってか責任感が強い反面、受け身タイプの社員が多い印象がある。中小企業といえども社長一人で新しいチャレンジをするわけにはいかない。即戦力人材の採用は一つの選択肢であるが、自社で欲しい人材は他社でも欲しいわけで獲得は容易ではない。したがって、成長戦略づくりとそれを実行できる人材開発や組織開発を同時並行で進める必要がある。
page2026カンファレンスでは、岐阜文芸社と文方社という2社の取り組み事例を紹介する。

Re:Connectが拓く挑戦と共創岐阜文芸社

岐阜文芸社では、会社の仕組みを整えるために「見える化」から取り組んだ。基幹システムを更新し、単品損益とはじめとする原価や生産性のデータを精緻に把握できるようにした。年に一回の経営計画発表会では、クリエイティブグループ、印刷課、製本課の時間当たり加工高(付加価値)を発表し、各種生産性向上策の効果を定量的に評価している。営業についても行動内容や時間の使い方を定量的に把握し、改善につなげている。つぎに取り組んだのが評価の「見える化」である。会社の目標と個人の目標がリンクするとともに自分がどのような成果を出せばどのように評価されるかが明確になった。社員が自主性を持って挑戦する機会を増やしている。

社内には、5つの委員会があり部門横断的に活動している。親睦委員会、品質管理委員会などに加えて、新事業委員会がある。委員会活動として新規事業の開発に取り組んでいる。

新規事業開発については自社だけでなく、積極的に地域・異業種との連携・共創による価値創造にチャレンジしている。例えば、名古屋にあるSTATION Aiというオープンイノベーション施設への社員派遣であったり、岐阜大学が主催したDX体験型実践プロジェクト「Digitech Quest」に参画している。

また、紙とデジタルをつなぐ新サービス創造として、伴走型ファン拡大支援「FAN MARUKE」やデジタル広告分析「Smart Reach」などに取り組んでいる。
pageカンファレンスでは、pageのテーマ「Re:Connect」にあわせた形でこれらの取り組みを紹介する。

危機を乗り越える組織変革の進め方(文方社)

人や組織に焦点を当てて文方社の変革の取り組みを紹介する。トップダウンの経営スタイルから社員との対話型に転換することにより、個人主義の社風から社内の風通しがよくなり、自走する社員もあらわれている。「学び、成長する」という企業風土づくりに力を入れた結果、外部の研修や大学院に通う社員があらわれ、学んだ結果を社内の業務改善やお客様への提案の質の向上に活かし、そこで得られた成果の実感がやりがいにつながり、さらなるモチベーションアップとなっている。

pageカンファレンスでは、変革のプロセスを紹介するとともに心理学や行動科学の側面からも掘り下げる。

(研究・教育部 花房 賢)

【C5】Re:Connectが拓く挑戦と共創 ~見える化から始まる地方印刷会社の変革実践
    2月12日(木) 12:30~14:00

【C6】危機を乗り越える組織変革の進め方