2017年の印刷産業出荷額(全事業所)は5兆2378億円(確報値)

掲載日:2019年8月30日

「平成30年工業統計表」の確報版(産業別統計表、品目別統計表、地域別統計表)が公表された。3人以下の事業所が半数以上を占める印刷産業は、全国に事業所が存在する。(数字で読み解く印刷産業2019その7)

3人以下の事業所が半数以上を占める

2018年6月1日現在で実施された「平成30年工業統計表」は、速報版が2月28日、概要版が5月31日に公表になり、このコーナーでも2回取り上げました。

8月に入り、確報版になる産業別統計表が9日に、品目別統計表と地域別統計表が23日に公表されました。

JAGAT刊『印刷白書』では、確報版でなければわからない、推計による3人以下の事業所に関する統計表も使って、全事業所数の数値で印刷産業の変化を見ています。

全事業所の印刷産業出荷額は5兆2378億円(前年比0.7%減)、2018年6月1日現在の事業所数は2万2210事業所(同4.3%減)、従業者数は28万2395人(同1.2%減)となりました。

3人以下の事業所の出荷額は1614億円、従業者数は2万4097人と非常に小さい数字ですが、事業所数は1万1965事業所と半数以上を占めています。

人口当たり事業所数は東京に次いで福井が2位

印刷産業の事業所数を都道府県別に見ると、東京都が4403事業所(全国の19.8%)と最も多く、次いで大阪府2459事業所(同11.1%)、埼玉県1513事業所(同6.8%)、愛知県1356事業所(同6.1%)と、都市圏が上位を占めています。

次に人口に対する事業所数で見ると、東京に次いで、人口77万人の福井が237事業所で2位となり、以下、大阪、京都、岐阜、長野と続いています。福井県は眼鏡枠の産地として有名で、一番多い事業所は眼鏡枠ですが、次いで印刷物の事業所が多いのです。印刷産業の事業所が存在しない県は一つもなく、印刷産業の裾野の広さがわかります。

『印刷白書』では、印刷メディア産業に関連するデータを網羅し、UD書体を使った見やすくわかりやすい図版を多数掲載しています。

最新刊となる『印刷白書2019』は、10月23日開催の「JAGAT大会2019」で発表予定です。

限られた誌面で伝えきれないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信していきます。ご意見、ご要望などもぜひお寄せください。

(JAGAT CS部 吉村マチ子)