顧客とつながる時代のマーケティング~JAGAT大会2020オンライン開幕

掲載日:2020年12月2日

生活者の消費行動が大きく変わりつつあるなか、企業は顧客とどのようなコミュニケーションを取るべきであろうか。(株)顧客時間 共同CEO取締役 奥谷孝司氏にお話しを伺った。

JAGAT会員大会は、経営と印刷産業ビジョンを考える年に一度の機会と位置づけ毎年実施している。例年は会員同士の交流を図る懇親パーティーとともに開催しているが、今年は新型コロナの影響でオンラインで行う。

JAGAT大会2020の全体テーマはウイズ/アフターコロナの経営を考えるとした。緊急事態宣言の発令を機に大幅に落ち込んだ印刷需要は持ち直しつつあるものの完全な回復は望めず長期化する模様である。

この間、生活者の行動様式も大きく様変わりし、特に消費行動のデジタルシフトが進み、ECサイトやスマホアプリの利用が急増している。これらはコロナ禍での一時的な変化ではなく、不可逆的なものだという見方が強まっている。

JAGAT大会オンラインで特別講演をお願いしている奥谷孝司氏は、2018年の著作「世界最先端のマーケティング」のなかで、小売業界のオフラインからオンラインへのチャネルシフトの動きを紹介するとともに、デジタルを活用した新たなチャネルで「顧客とのつながり」をつくることの重要性を指摘している。

リアル店舗では顧客の購買時の行動しか把握できないが、デジタルのチャネルでは、商品の検討、選択から購入、そして使用、消費までの流れをとらえることが可能となる。奥谷氏はこの一連の消費者行動の流れを「顧客時間」と呼び、企業はこの時間に寄り添いながら顧客と対話をすることで、顧客とより良好な関係がつくれ、そのつながりをもとにしたマーケティングが今後、ますます重要になると述べている。

一方で、印刷メディアも顧客と対話しつながりを深める効果的な手段となり得ると指摘する。コロナ禍で折込チラシのような広告、宣伝、販促用途の印刷物が大きく減少するなか、新たな印刷物の用途として、まさに「デジタル×紙×マーケティング」を実践する上での貴重なヒントが伺えるだろう。

そして、JAGATからは「コロナウイルスで変わる社会と印刷」を特集した 印刷白書2020をベースにニューノーマルの時代の印刷ビジネスの在り方と最新の各種調査からの印刷業界の動向について報告する。
是非、ご参加ください。

【JAGAT大会2020オンライン実施要項】
 テーマ:with/afterコロナの経営を考える
 会期:2020年12月2日(水)~12月12日(土)
 視聴方法:オンラインによる事前登録制
 視聴料:JAGAT会員 5,500円 / 非会員 11,000円(税込)

内容詳細およびお申込みは、こちら

(研究調査部 花房 賢)