印刷業定点調査 各地の声(2015年1月度)

掲載日:2015年5月1日

売上高は△1.4%と10月から4カ月連続のマイナスとなった。

マイナス幅は大きくないものの、増税によって名目上の売上高が3%近く押し上げられていることを考慮すると、印刷経営の実態は厳しさが続いている。

昨年2~3月は消費増税前の駆け込み需要で空前の賑わいだったため、対前年比で見た印刷経営は3月まで落ち込み幅が大きくなることが確実視される。

地域別に見ると、名古屋圏と大阪圏のマイナス幅が縮小したが、大阪圏の落ち込みが大きく、名古屋圏は前年をやや下回る程度の水準を維持している。首都圏は2014年までと同様の△2~3%程度の推移が続いている。

業種・業態別にみると、主力の商業印刷について持ち直しの傾向が見られる。一方で、紙器・事務・その他は落ち込んだ。日経平均株価は上昇しているが、印刷業への波及は商業印刷においてわずかながら確認できる程度。総合印刷が落ち込んでいることから、株価上昇の恩恵は地方にまだ波及していないことが分かる。

受注件数は△1.6%と売上高同様に4カ月連続のマイナスとなっているが、受注は件数ベースであり、増税の影響が売上高ほどではない。

【印刷会社経営者の声】

茨城:商業

お客様の課題解決のための仕事のなかで、特に企画提案の数が増えています。

長野:総合

2015年の目標。現場はより品質を高める。営業は仕事に丁寧に取り組む、プレゼンの提案を増やして受注量を増やす、新規受注を増やす、目標を自ら作り共有する、行動計画をチームで達成する、といったところです。

岐阜:総合

内閣府の1月の発表によると、消費が1兆円ほど押し下げられたとの推計が示されました。印刷業界においても予想以上の厳しさを感じています。用紙値上げの波も来て、「前門の虎、後門の狼」状態。企業の実力が問われる2015年になりそうです。

岐阜:総合

昨年の消費増税の駆け込み需要の実績を補い切れていない状況が続いています。2015年度計画の策定時期になり、毎年のことですが、先の見えない状況で計画を組む難しさを感じています。

岐阜:紙器

来月の新台導入に伴い、長年活躍してくれた古い機械の搬出作業を行いました。機会とはいえ長い付き合いになると社員のようなもの。淋しさを感じると同時に、新台の有効な稼働を目指し、努力することを心に誓いました。

和歌山:商業

「守り」において生き残る戦略として、「見える化」をいよいよスタートしました。常にジョブ当たりの業務コストを把握して、継続的な削減を意識する仕組み作りをテーマとしています。