「全国」と「地域」の二つの視点からニーズをつかみ取る 〜『JAGAT info』2022年4月号のご案内

掲載日:2022年4月17日

JAGAT印刷総合研究会では、会員向け特典として今年度から「見逃し配信」を開始した。聴講したいテーマの研究会が開催されるが、その日はどうしても外せない別件があり、やむを得ず参加申し込みを見合わせた、なんとか後日に再視聴できないだろうか…というニーズに応える形の新サービスである。開催日の1週間後より、1週間の期間限定でいつでも視聴することが可能である。
また、例年実施している新入社員セミナーでは、今年度は「学び放題サービス」を実施している。こちらも期間限定でオンラインセミナーの内容を繰り返し視聴できるものであり、よく理解できなかった箇所は理解できるまで何度でも見返すことができたら…というニーズに応えたものだ。これらは、オンライン配信が普及した現在ならではのサービス形態だといえるだろう。

2年前の春に端を発したコロナ禍により対面(オフライン)での催事開催が難しくなり、世の中は一気にオンラインへと舵を切った。JAGATも例外ではなく当初は試行錯誤が続いたが、機材やソフトなどの取り扱いが容易になり性能も向上、そして世間的にも(もちろん課題は多数あるとはいえ)オンライン開催への理解が広まった。特に地方の方からは、“東京との距離”がなくなったとの好意的な評価をいただくことも多い。
そのオンライン開催も3年目に入り、可視化されたニーズをきめ細やかに対応していくことが徐々に可能となった。ビジネス用語の文脈で「ニーズ」と表現すると、ともすればつい構えてしまいそうになるが、つまるところ「これができたらいいのにな」という要望である。上記ではJAGATのオンラインイベントを例に挙げたが、このことは多くのビジネスにおいても当てはまるだろう。
オンラインだからこそ、そのニーズは全国各地から届くし、届けることができる。World Wide Webは日本全国どころか世界各地からアクセスが可能であり、端末と回線さえあれば、地理的な障壁はそこにはない。ただその一方で、まずは自社の所在地、つまり地元の地域に密着して細かなニーズを拾い出し、根気よく実績と知見を積み重ねていくというのも、一つの方向性である。そのような「全国」と「地域」の視点を兼ね備えて、今後のビジネスの在り方を考えていきたい。本誌4月号には、そのためのヒントが詰まっている。

さて、第44回「JAGAT印刷産業経営力調査」の回答結果の集計が開始されている。経営・戦略・設備の3つの視点から総合的に印刷会社経営を捉える唯一の調査である「JAGAT印刷産業経営力調査」にご回答いただいた印刷会社にはもれなくレポートを提供するので、JAGAT会員企業の特典として、本調査をご活用いただきたい。
調査票はJAGAT会員企業各社に郵送したほか、ウェブサイトからのダウンロードも可能である。回答の締め切りは2022年4月28日(木)。ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
 ※ダウンロードはこちらから → https://www.jagat.or.jp/archives/96393

 

『JAGAT info』2022年4月号のご案内

◯特集 page2022開催報告
 webと地域活性化による事業創造
 -自社拠点を生かして事業を継続的に生む仕組み-

コロナ禍により、印刷会社の営業手法は「対面営業方式でお客様を訪問する」から「工場見学やウェブでの発信などによりお客様を呼び込み、事業を共に創造する」に変化しつつある。従来型の価格競争に陥らずに、自社を拠点とした新たな印刷ビジネスを展開するには、一つには「オープン志向」、すなわち研究・開発や企画などの機能を充実させること、もう一つが「地域志向」、つまり地域に根ざした媒体を展開していくことが鍵となる。
そこで4月号の特集には、page2022オンラインカンファレンス【C4】の講演とディスカッションの要旨を掲載する(2022年2月9日配信)。所在地は異なるものの共通点も多数ある両社の発表から、印刷会社の既存の経営資源と地域資源とを掛け合わせ、収益性と社会性を兼ね備えたこれからの事業展開の仕組みを構築するためのヒントを得ていただきたい。

◯特別企画
 印刷とメディアの動向と展望 2021-2022
 -ニューノーマルに向けた顧客創造の方向-

2021年における印刷産業の需要回復は限定的であったといえる。しかしながら、これからのニューノーマルな時代に備えて変革していく必要がある。そのためには、どのようなモデルが有効なのであろうか。印刷市場と印刷経営に影響を与える要因としては、何があるのだろうか。
コロナ禍を契機に、顧客創造に向けた印刷会社と顧客企業との接点の在り方が大きく変貌したことは、本誌2021年11月号と12月号で調査報告を掲載している。4月号では、2022年1月26日開催の印刷総合研究会セミナーでの講演内容の要旨を収録。印刷製品・生産方式・付帯サービス別の需要見込みも加味して、印刷ビジネスの未来を考察する。

(『JAGAT info』編集部)

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