「未来を創る」-JUMPから各地域のJAGAT大会へ

掲載日:2015年6月2日

JAGATでは2009年から地域単位での会員相互の集いの場である「JUMP」の活動をスタートさせた。6年目となる今年度も、より一層JAGATらしさを追求しJAGATならではのイベントとして各地で展開する。

JUMPはスタート時には、全国を6ブロックにわけ、各地区での会員の皆様の交流やサービスを強化するとともに、会員相互が地域戦略を共有し、互いに協力・連携して、ビジネスや市場の開拓を行う仲間作りを進めていくというコンセプトのもと「JAGAT United Membership Partner」の頭文字をとってJUMPと称した。
その大きな目的は、以下のとおりであった。

 1)会員との接点・交流を強めるとともに会員拡大の場にする
 2)地域活性、地域密着を基本とした地域(会員)企業の集いとする
 3)地域(会員)企業の相互交流を通じて1社ではできない共通の課題解決を目指す
 4)(会員)企業相互の関係を、点から線、線から面へと広げることで、(会員)企業同士のより実質的なコラボレーションを目指し、ビジネス実践の場とする
 5)将来は、地域の集い(JUMP)が、地域を越えて、交流することで、ビジネスパートナーあるいは各社の改革・改善へと発展し、新時代に相応しい企業の結集となることを目指したい

そのため、各地域にJUMPの目的にご理解とご賛同をいただける会員ならびに印刷工業組合員を中心とした企画推進メンバーを置き、JUMP開催に向けて、印刷を通じて地域の活性化、貢献を実現するための企画立案、アドバイス、参加への呼びかけ等の活動をお願いしてきた。

しかし、JAGAT United Membership Partnerの略がJUMPであるとしても、わかりにくく馴染みにくいという指摘もあり、まもなくJUMPは文字通り「皆で飛躍する(ジャンプ!)」という意味にあらためて実施してきた。
また、地域の共通課題をパートナーシップを通じてビジネス実践の場としていくとしても、業界が置かれた現状の中で、各社それぞれが旧来のやり方を見直し、新たなビジネスモデルを創造していくための方向性が多様に存在し、JAGATがそのハブ機能を十分に果たし得ないことも相まって、実現は困難であった。

さらに、これまでの各地での開催、企画推進メンバー会議を通じて「どこでも聞けるコンサルタントの話ではなく、JAGATでしか得られない情報が欲しい」「東京で開催するセミナーで皆が関心を持っているテーマは何か?」「pageで大勢が集まるセッションを持ってきて欲しい」「JUMPは交通費を使わずともJAGATの方から出向いて実施してくれるセミナーイベントと捉えている」といった意見、要望が多く寄せられてきたこともあり、実質的活動は各地とも共通で以下のような構成で開催している。

 1)JAGAT会長または副会長によるKeynote
 2)JAGATによる最新の研究調査、情報に基づく報告:各種統計データ、経営分析等からみえてくる業界展望、経営の方向性など
 3)講演会:未来を切りひらくための経営戦略などをテーマとしたメイン講演、勉強会
 4)懇親会:交流及び情報交換会
 5)ジョイントセミナーの実施:JUMPが経営者、経営層向けイベントであるため、JUMP当日、または前後日に管理者~現場(営業・製造)の皆様を対象に実施

昨年度のJUMPでは、JAGATが取材したブックオンデマンドソリューションの成功事例としてのライトニングソース社(アメリカ)をメインに取り上げ、国内ではまだ本格化しているとはいえないオンデマンド出版、少部数出版といった新たなビジネスモデルについて考察してきたが、今年度はJAGATが発刊したジョー・ウェブ博士の『未来を創る-THIS POINT FORWARD』をベースに各地域で議論をしていくつもりである。
2012年に発刊されたウェブ博士の前著『未来を破壊する』も、JAGATではJUMPも含め様々な機会を通じて取り上げ、いわば問題提起の書として議論の土台にした。新刊『未来を創る』は、印刷業界を取り巻く経営環境が急速に変化し、将来を見据えた的確な経営判断と経営戦略の確立が求められる現代において、どのような方向で経営マインドのチェンジを図っていくべきかにスポットをあてており、是非「自社のビジネスをどう変えていくべきか?」という課題解決に向けた議論のきっかけにしたいと考えている。

今年度JUMPは、8月21日の東北地区(仙台)を皮切りに各地域で実施していくが、さらにJAGATらしさを追求し、地域版会員大会としてJAGATならではの情報提供・議論・交流の場としていきたい。そのため、名称も「JUMP」から例えば東北地区であれば「JAGAT大会in東北」に変えていく予定である。実はJUMPという名称もなかなか定着してこなかったということもあり、ある地域では我々に対し「JUMPさん!」と声をかけられ、どうもJAGATと区別がついていないかもしれないと思ったことも正直なところ変更理由の一つである。

(CS部 橋本 和弥)

 

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