次回2017年春試験は、2月26日(日)に開催いたします。
各試験開催要項を公開しました。
「DTPエキスパート」カテゴリーアーカイブ
DTPエキスパートとコミュニケーション
今回の「DTPエキスパートカリキュラム」の改訂(第11版) により新たな項目として、また試験の新カテゴリーとして「コミュニケーション概論」が加わった。しかし、これまで改訂を重ねてきた「DTPエキスパートカリキュラム」の表紙には常に4つのキーワードとして“よいコミュニケーション”“よい制作環境”“よい印刷物”“高いパフォーマンス”が掲げられており、もともとその筆頭に“コミュニケーション”を謳ってきた。
コミュニケーションツールとしての印刷物
DTPエキスパートの人物像は、日本におけるDTPの導入期から普及、展開といったフェイズに応じて変化してきた。また、メディアの多様化、ビジネスの変化といった環境に応じてその役割が変化せざるを得なかったところもある。しかし、一貫しているのは“DTPに関する正しい知識と技術を保有し「高品質な製品としての印刷物(よい印刷物)」の提供を実現する、あるいは実現できる人”ということである。
ここで、今一度“よい印刷物”とは何か?を考えてみる。
鮮やかな色再現が実現できていたり、美しいレイアウトや素晴らしい組版体裁の印刷物は高品質であるといえるであろうが、それだけでは製品としては不完全である。印刷物という手段を通じて伝えたい情報が的確に受け手に伝達ができ、結果として期待された効果が得られなくてはならない。
いくら見た目にきれいなチラシを作成しても、それが購買や集客に結びつかなくてはまったく意味がないといえる。すなわちその印刷物が果たすべき役割、目的が達成されてこその“よい印刷物”なのである。
改訂「DTPエキスパートカリキュラム」の「コミュニケーション概論」の項の冒頭には以下のように記述されている。
印刷物などのメディアは、情報の移動・伝達=コミュニケーションの手段の一つであり、コミュニケーションについての理解はメディアビジネスの根幹である。
そもそもコミュニケーションツールとしての印刷物に対する理解は必要不可欠であるということである。
DTPエキスパートとして必要なコミュニケーション能力
情報を伝達するメディアは、紙のほか電子化されたものなど、多様化している。そうしたなかにおいては、コミュニケーションツール(手段)の選択肢も多様化したということであり、紙メディアにかぎらず各種メディアの特性も理解した上で選択と手法を最適化して制作物を設計していく必要がある。
コミュニケーションツールを効率的、効果的に作り上げていくに際して最も必要な能力はコミュニケーション能力である。
各種メディアの制作にあたって、まずはクライアントの要望をヒアリングなどによる情報収集と分析によって的確に把握する必要がある。この段階(クライアントとのコミュニケーション)が不十分であると、制作物を適切な仕様に落としこむことができず結果として“よい印刷物(制作物)”とはならないであろう。
さらに、制作プロセスにおいても、例えば制作プロジェクト進行管理において、各工程間での指示や伝達を始めとして各業務担当者の情報伝達能力=業務間コミュニケーション能力が円滑な業務遂行の要となるのだ。
今回のカリキュラム改訂で、コミュニケーションツールとしてのメディアの理解とともに、制作進行におけるコミュニケーション能力もDTPエキスパートに求められることをさらに明確化したということである。
(JAGAT CS部 橋本和弥)
※本記事は、2014年8月掲載当時のものです。
※DTPエキスパートカリキュラムは、2016年11月に改訂12版発行の予定です。
第46期DTPエキスパート認証試験速報レポート
8月21日(日)に開催しました第46期DTPエキスパート認証試験の受験者属性等速報レポートを掲載します。
受験者数はほぼ前年なみ、受験者属性に大きな変化はありませんが、企業受験率が昨年52.8%から、59.2%と高まりました。
試験は現在、9/20までの実技試験期間中となっています。
実技試験終了後、学科・実技の総合採点ののち、10月末に合格者を本サイト上で発表する予定です。
【DTPキーワード】ユニバーサルデザイン
ユニバーサルデザインとは、全ての人のためのデザインを意味し、最初からできるだけ多くの人が利用可能であるようなデザインを目指している。
ユニバーサルデザインは、
- (1) 公平性:誰でも使いこなすことができる。
- (2) 自由度:例えば右利き、左利き両方が使いやすい。
- (3) 簡単性:作りが簡単で、使い方も分かりやすい。
- (4) 分かりやすさ:知りたい情報がすぐに理解できる。
- (5) 安全性:使用に安全、安心で、誤使用しても危険が少ない。
- (6) 省体力:長時間使用しても、体への負担が少ない。
- (7) スペースの確保:どのような体格、姿勢、動きでも快適に使える大きさ、広さがある。
などの考え方が基本となっている。
文字や色については、誤読などをさせずに認識しやすく、かつレベルの高さを保つデザインが必要である。
文字におけるユニバーサルデザインで特に重要なのは、視認性や判読性、デザイン性、可読性がある。
視覚感度は年齢による低下や特定の色の区別がしにくい色弱者などのように知覚を制限するものがある。
それを踏まえた配色や色使いをしていくことが、カラーユニバーサルデザインであり、誰にでも見やすい色の組み合わせやデザインを行うことが求められている。
文字の代わりにピクトグラム(「絵文字」「絵単語」)が、何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号(サイン)の一つとして用いられる。また、地色
と図表に明度差のある2 色を用いて、表したい概念を単純な図として表現する技法が用いられる。
紙面のデザインで強調したい言葉があるときは、色だけでなく文字のポイントを大きくしたり、書体を変えたり、もしくは下線や傍点、囲み枠といった方法を使う。
ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いは以下である。ユニバーサルデザインは広範囲の人、つまり地球上の全ての人が対象となるが、バリアフリーは高
年齢者、障害者などのように範囲が絞られる。
フォントもユニバーサルデザインに対応したUDフォントがリリースされている。
1. 読みやすく、誤読することも少ない。2. 形状がシンプルで分かりやすい、という目的でデザインされた文字のことである。例えばI 社UD フォントの特徴は、
読みやすく、誤読されにくいを基本コンセプトに、以下の4 つの観点から開発された。
- (1) 視認性:文字一つひとつの構成要素を視認しやすくする。
- (2) 判読性:誤読しにくく、ほかの文字との判別を分かりやすくする。
- (3) デザイン性:シンプルさ、美しさ、整理、整合性を持つ。
- (4) 可読性:文字列としての単語・文章の読みやすさ。としている。
UD フォントは役所や病院などの案内表示、取扱説明書、携帯電話の表示、新聞/雑誌などで有用である。
【DTPキーワード】校正記号
原稿整理を行うときの表記の基準に照らし合わせて、ページが組版された状態のチェックをし、校正記号を
使って修正の指示を入れる。
文字校正の記号および意味はJIS Z 8208:2007 として定められている。ゲラへの校正記号の記入の仕方は、これに準じて行う。
校正記号を用いる理由は、長々と説明文や注釈をつけることを避け、正しく簡潔に意思が伝達できるよう
にするためである。
赤字は入力、編集、内校正、赤字引合わせなどの担当者が正確に作業できるように、きれいかつ丁寧に入
れる。
赤線が交差、接触、折れ線になるのは避け、また誤字の箇所からなるべく近くの余白まで赤線を引き出す。
文字校正の記号および意味は、1965年にJIS Z 8208として定められ、2007 年にJIS Z 8208:2007として改
定されている。ゲラへの校正記号の記入の仕方は、これに準じて行う。
【DTPキーワード】原稿整理
原稿の表記の様式は、著者の思想および感情の表現の一部である。また1 冊の本の中で表記形式の不統一は、読者が内容を理解するときに混乱を起こす。
原稿整理での表記の統一(形式的整理)は、第一に著者の意向を尊重して執筆方針を読みとって作業を進め、その中での未整理の部分、不統一の部分を正す。
表記について、あらかじめ著者との間に「執筆要項」を作成してそれに従って作業する場合もある。
出版社単位あるいは雑誌媒体に応じて、原稿表記についてのルールを整理して、明文化したハウスルールを作っている場合もある。
文章については、文体の統一、漢字の使用範囲、漢字の字体、かなづかい、送りがな、引用文の表記、ルビをどのようにするか、などを決める。意図的に旧かなづかいがされている場合もあるので、その原則を知っておく。
用語については、外来語の表記、外国の国名/地名/人名、学術用語の表記、などを決める。
組版については、繰り返し符号、かぎや括弧および句読点、年月日、数詞、単位記号、括弧と句読点の関連、などの組み方原則を決める。
書籍全体では、見出し、注、文献のあげ方、索引のオーダー、改丁/改ページ/改行/追い込み/追い出し、行あき/字下がり/文字サイズを下げるところ、などを決める。
見出し[heading ; headline]
書物において、記事の冒頭に置かれ、その記事の内容が一目で分かるように書かれた標題。編、章、節などの区分に応じて、大見出し、中見出し、小見出しと段階的に見出しが付けられる。見出しには通常本文よりも大きい文字や太い文字を用いる。
注[note]
本文中の用語、または図表などの一部についての補助的な説明。本文上部の頭注、本文下部の脚注、本文中の割注、小口側の傍注、編、章、節、段落などの次や巻末に入る後注などがある。
文献[literature]
筆録・印刷物などで、以前の制度や文物などを研究する参考資料。多くは参考文献として巻末に記載する。
索引[index]
本文中の主要な語句や項目を検索しやすいように抽出して50 音順かアルファベット順にまとめその記載ページを記したもの。多くは巻末に記載する。
改丁
章見出しなどでページを改め、次の奇数ページからまた組み始めること。奇数ページで終わった場合、次の偶数ページは白となる。
改ページ[form feed]
章見出しなどでページを改めて組版すること。奇数偶数に関係なくページが変わればよい。
改行[line feed]
文字組版の際、行を改めて次の行に替え文章を組むこと。
追い込み[run in ; run on]
改行、改段、改ページなどをやめて、前の行に続けて組むこと。
追い出し[run out]
禁則処理における行頭行末禁則の句読点や約物類などの処理方法の一つ。行頭禁則の句読点などが行頭にくる場合に、前行の文字を次行に追い出し、前行の空いた分のアキをスペーシング処理して行末揃えを行う。
ここまでを追い出し処理という。
行あき
前行と次行のアキの距離。行間。
字下がり[indention]
所定の字詰めより下げて組むこと。和文組版では段落の1 行目の行頭を1 文字下げる場合が多い。
文字サイズ
文字の大きさ。Q(1Q = 0.25mm)/ ポイント(1point ≒0.3528mm)で示す。
学び続けるエキスパート
今期のDTPエキスパートおよびクロスメディアエキスパートの更新試験が始まった。試験期間は9月1日より9月30日までの1ヶ月間で、受験者はCBT(Computer Based Testing)方式の試験に取り組む。 続きを読む
2016年9月実施更新試験開始
更新試験専用サイトオープンしました。
更新試験申請者の方は、下記期限内に必ず試験にお取り組みいただくようお願いします。
更新試験専用サイトはこちら
試験実施期間:2016年9月1日(木)10:00~2016年9月30日(金)23:59まで
※試験専用サイトのパスワードがご不明な場合は
更新試験専用サイト上の「パスワードをお忘れですか?」よりパスワードを取得していただくか、
更新試験専用サイトサポート窓口までパスワードをお問い合わせください。
更新試験専用サイトサポート窓口
株式会社 イー・コミュニケーションズ サポート窓口
TEL 03-3560-3905 e-mail cbt-support@e-coms.co.jp
受付期間:試験期間内のみ対応
受付時間:平日10:00~17:00
2016年9月実施更新試験・再取得試験ログイン案内配信完了
9月1日より開始となりますDTPエキスパート/クロスメディアエキスパート認証更新試験につきまして、更新試験専用サイトへのログイン案内(パスワード案内)を本日一括配信いたしました。(エキスパート基本台帳「ご自宅メールアドレス」欄にご登録のメールアドレスあて)
まずは受信されているかどうかお確かめください。
届いていない場合は、下記①②いずれかのご対応をお願いいたします。
①試験開始(9月1日 10時)後に、更新試験専用サイト上の「パスワードをお忘れですか?」よりパスワードを取得していただく。
②試験開始(9月1日 10時)後に、更新試験専用サイトサポート窓口までパスワードをお問い合わせいただく。
更新試験専用サイトサポート窓口
株式会社 イー・コミュニケーションズ サポート窓口
TEL 03-3560-3905 e-mail cbt-support@e-coms.co.jp
受付期間:試験期間内のみ対応
受付時間:平日10:00~17:00
※試験サイトへのログインは、試験開始となる9月1日 10時以降に可能となります。
それ以前はログインできません。
その他ご不明点がありましたら、JAGAT資格制度事務局(e-mail:expert@jagat.or.jp)
までご一報ください。
2016年8月エキスパート認証試験実施状況
8/21(日)日本列島に押し寄せるいくつもの台風の合間をぬって、第46期DTPエキスパート認証試験および第22期クロスメディアエキスパート認証試験を全国8個所のJAGAT会場および指定講座会場9会場で実施した。
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