資格制度」カテゴリーアーカイブ

印刷ビジネス人材像の変化と学びーエキスパートDAY2019開催ー

印刷ビジネス人材像およびDTPエキスパートの役割の変遷とともに、これからの学びについて考えます。

組織の成果と個人のキャリアの方向性

図では組織の成果と個人のキャリア形成を一つの軸の二つの方向として示していますが、個人のキャリア・スキル形成、自己実現にも視点を置き、組織の理念に共感しつつ成長していく持続的な働き方像を描くことは、組織内の活性化につながります。組織の成果と個人のキャリア形成について、同じベクトルを持つことで互いの成果を加速するものと位置づけることが重要です。
エキスパート資格制度はその手段の一つとして、資格取得という近距離の目標値を定め、一定の知識・技量の水準を身に付けることをまずは第一歩としています。さらにさまざまな学びの場と手段を提供することで、継続的な人材育成として活用していただくように制度を設計・運営しています。

経営戦略と人材

DTPエキスパート役割の変遷と現在

かつてDTPシステムの黎明期~普及期においては、DTP環境による印刷物製作の標準化とこれを推進する人材が求められました。関連技術が刻々と進化するに伴い顕れる新たな技術的課題とその解決という激動期を経て、現在ではDTPシステムによる印刷物製作は一般化しました。今やDTPシステムによる印刷物製作は限られた一部の熟練者のみに依存するものではなくなりつつあります。ナレッジの共有方法は多様化し、さらにDTPアプリケーションを始めとした制作環境自体の進化もあり、普及期から安定運用の時期へと移行しています。

こうした製作環境の変遷がある一方、印刷物自体の活用場面は、他メディアの発展とさらには生活者の価値観の変容による影響を大きく受け、絶えず変化しています。特殊な技を持たなくとも情報の発信者となれる現在、様々なメディアの特徴を熟知し、情報発信の文脈を作ることにも視点を置いて印刷ビジネスを捉えなければなりません。

このような環境において印刷ビジネスに携わる人材に求められる能力は、スペシャリストの域から、印刷物による価値を生み出す新ビジネスの創造とプロジェクトマネジメントへと広がっています。DTPシステムによる印刷物製作全体を理解し、ビジネスの実践に結び付けるための印刷総合知識の重要性が増しており、こうした一定の知識を試験範囲とするDTPエキスパート認証の取得は、「印刷物による価値を提供するビジネスの土台作り」と位置づけられます。

印刷ビジネス人材の今後の展開

印刷業界全体が認識している通り、印刷ビジネスは現状に甘んじているだけでは未来を見通しがたい状況にあります。よって、印刷人であれば当然知っておくべき知識全般を身に付けたうえで、今後の他メディア、さらには他業界とのコラボレーション等に向けて、印刷物製作との橋渡し、協業の模索が可能な人材へと変化していく必要があります。一例を挙げれば、マーケティング施策の中で印刷物の強みを活かした情報発信の文脈作りをするにあたっても、マーケティング関連の知識が皆無では印刷ビジネスのプロとして信頼を得ることは難しいでしょう。

こうした印刷ビジネスの発展的展開を望むため、エキスパート認証制度では取得後の継続学習も重視し、オンラインラーニング形式の更新試験を導入、その他弊会主催の継続学習イベント等を開催しています。取得後に何を学びどのようにビジネスに活かしていくか、実践の方法は、各社の事業の方向性、各人のキャリア計画に応じて、模索し続ける必要があるでしょう。エキスパート資格取得は印刷人の基本OSであり、取得後の継続学習はビジネス変化に応じた各種アプリケーションのインストールやバージョンアップおよびそれらの連携と言えるかもしれません。

JAGATでは、資格取得という通過点を経験していただいたうえで、様々な事業展開、取得後の活躍に役立てていただけるような内容のイベントや学習コンテンツを提供していくよう計画しています。

JAGAT CS部 丹羽 朋子

11月15日(金)開催 JAGATエキスパートDAY

11月15日(金)JAGATエキスパートDAY開催

印刷ビジネス人材をテーマとしたセミナーイベント『JAGATエキスパートDAY』を開催します。
有資格者は無料でご参加いただけます。
内容およびお申込み方法詳細は、下記Webページにて10月初旬公開予定です。
是非ご来場ください。

【開催日】2019年11月15日(金)
【場所】JAGAT本社【東京都杉並区)
【参加費】受講料定額制 1名3,000円(エキスパート有資格者およびご招待者は無料)

JAGATエキスパートDAY2019

企業の持続的成長をもたらす人材育成

印刷業の強みを活かしてあらたな価値を見出す提案型ビジネスの創出が望まれています。
メディア環境と社会の変化とともに印刷需要も変化し、印刷ビジネスのあり方が問われる現在、戦略を実現する重要なファクターである人的資源の重要性がさらに高まっています。

組織の成果と個人のキャリア形成

組織としての機能と成果の方向性とともに人材像を想定しました。

「あらたな価値を見出すのは『人材』」

組織の理念・成果とともに個人のキャリア形成・自己実現も踏まえて人材像を想定するプロセスは、インナーブランディング(自社内部のブランディング)と共通するものです。インナーブランディングとは、「企業固有の目的に沿って進化し続ける企業風土を作り上げること」「自社の存在意義、価値観への理解・共感を組織の中心に据えること」とされ、企業の持続的な成長を実現する手段として、対外的なブランディング(アウターブランディング)とともに注目されてきました。
インナーブランディングでは、組織の成果と個人のキャリア形成を対立項として捉えるのではなく、同じベクトルを持つことで互いの成果を加速するものと位置付けています。
個人のキャリア・スキル形成、自己実現にも視点をもつことが、結果として組織に成果をもたらすというものです。
限られたリソースの中で最大限の成果を引き出したい中小規模の企業にこそ、インナーブランディングを踏まえた人材育成が求められると言えるのではないでしょうか。

加速減加速大

価値観や働きかたの多様化と人材育成

価値観・働きかたが多様化する現在、組織による一方通行の号令に従って行動する展開には限界があり、多様な価値観をもつ人材個々の能力を引き出す必要性も生じていると言えます。また、人的資源マネジメントにおいて例年「人材の定着率」という課題も挙げられています。
インナーブランディングが求められる背景には、こうした課題への解決策として、個人が組織に共感しつつ成長していく持続的な働き方像が描けるからなのかもしれません。

組織内を活性化し利益をもたらすには、社外に対し、また社内に対してもメリットのある人材育成体制が望まれます。

JAGAT人材育成チーム準備室

クロスメディアエキスパート認証制度

DTPエキスパート認証制度

更新試験システム不具合解消のご案内

9月2日開始更新試験にお取り組みのみなさま

更新試験専用サイトでの試験実施に際し、試験システムに一部不具合が発生していることが判明しました。
ご不安をおかけしましたことをお詫びするとともに、経過をご報告いたします。
なお、現在すでに不具合は解消しております。

【不具合の内容】
中断ボタンにより試験を一時中断後、正常に再開できない。

【不具合の解消】
9月3日9時30分頃システム修正により不具合は解消しました。

上記解消以前に取り組みを開始された方で、中断後の再開でエラーが発生する場合は、下記CBTシステムサポート窓口までご一報ください。

株式会社 イー・コミュニケーションズ CBTサポート窓口
 E-MAIL: cbt-support@e-coms.co.jp
 電話番号: 03-3560-3905
 受付期間:試験期間内のみ対応
 受付時間: 10:00~18:00(土・日・祝日・年末年始を除く)

2019年9月実施更新試験開始

本日より更新試験が開始となります。
申請手続きを完了されたかたは、8/29にお送りした更新試験サイトログインパスワード案内メールにてご自身のパスワードをお確かめのうえ、試験へお取り組みください。

■試験期間:9月2日(月)10時~9月30日(月)当日中

■更新試験専用サイトURL
https://expert.mc-plus.jp/exam/

パスワード案内メールを受信していない場合は?
試験専用サイトログインページの「パスワードをお忘れですか?」よりご登録情報を入力いただくと、パスワードを自動再発行いたします。(ユーザーIDは、エキスパートID四桁‐四桁です。)

■お問い合わせ先

・試験専用サイトのシステムや取り組みかたに関するお問い合わせ
(株)イー・コミュニケーションズ サポート窓口
TEL 03-3560-3905
受付期間:試験期間中
受付時間:平日10:00~17:00

・制度内容および更新手続きに関するお問い合わせ
(公社)日本印刷技術協会 資格制度事務局
TEL 03-3384-3115
E-MAIL expert@jagat.or.jp

第52期DTPエキスパート認証試験 実技試験サイト

2019年8月25日(日)実施第52期試験を受験された皆様へ

実技試験には、当日配布した課題制作要項の通り、下記よりログインのうえお取り組みください。

DTPエキスパート認証試験 実技試験サイト

1.実技試験サイトにログインする。

受験番号と受験申請時に登録したメールアドレス(受験票に表示)を入力し、「ログイン」ボタンをクリックする。

受験票にメールアドレスの表示がない方、またはメールアドレスに誤りがある方

「メールアドレス登録がお済みでない方」の「メールアドレス登録へ」をクリックすると、メールアドレス登録画面が表示されます。画面の指示に従いメールアドレスをご登録のうえ、ログインしてください。

2 画面上部の「課題ダウンロード」をクリックし、必要なファイルをダウンロードする。

課題はAB の2 種類の中から1 つだけ選んで制作してください。
課題ファイル内に、各課題の「課題制作の手引き」が記されたPDF ファイルと素材データが収められています。選択した課題の「課題制作の手引き」をよく読んで制作してください。

  • 「課題制作の手引き」にしたがっていない提出物は減点や不合格の対象になります。
  • ダウンロードファイルはZIP 形式で圧縮されておりますので、解凍してご利用ください。
  • 解凍後、最初にフォルダの内容を調べて、データに不良がないこと、ファイルがそろっていることを確認してください。
  • OS など制作環境の違いにより、データの変換や調整が必要な場合は、各自で対応をお願いします。

3 画面上部の「課題アップロード」をクリックし、提出物をアップロードする。

「ファイル1」「ファイル2」の欄で各々「作品」「制作指示書」のファイルを選択し、「アップロード」をクリックしてください。
画面に「ファイルのアップロードが完了しました」と表示されるとともに、ご登録メールアドレスあてに課題ファイルアップロード完了のメールが届きます。
ご自身がアップロードしたファイル名が記載されていますので、提出ファイルに間違いがないかどうか、ご確認ください。
提出ファイルに間違いがあった場合など、正しいものに差し替えたい場合は、あらためて課題アップロード画面よりアップロード操作を行って下さい。
提出期限内に最後にアップロードしたファイルを採点対象といたします。

  • 「作品」はPDF/X-1a またはPDF/X-4形式にデータ化し、「制作指示書」はPDF ファイルにしてアップロードしてください。
  • 提出ファイルは、各ファイル20MB 以内としてください。20MB を超えるファイルはアップロードできません。
  • 万が一、通信障害等でアップロードが出来ない場合は、資格制度事務局(03-3384-3115)までお問合せください。

課題ファイルが正しくアップロードされたかどうか確かめるには

課題ファイル完了メールを受信しているかどうかお確かめください。
受信していない場合でも、課題アップロード画面で「課題のアップロードは 2019/xx/xx xx:xx に完了しております。」と表示されていれば、提出は完了しています。

8月25日開催試験受験票発送

2019年8月25日(日)開催下記試験の受験票を発送しました。
第52期DTPエキスパート認証試験
第28期クロスメディアエキスパート認証試験

※送付先は、受験申請時にご自身で指定された連絡先(会社または自宅)宛てです。

8月19日になっても届かない場合は、資格制度事務局までお知らせください。

エキスパートWeb基本台帳システムメンテナンスのお知らせ

有資格者のみなさまへ

平素よりエキスパートWeb基本台帳をご利用いただきありがとうございます。
基本台帳関連システムメンテナンスに伴い、下記の日時において基本台帳へのアクセスが不可となりますことをお知らせします。

アクセス停止期間:2019年8月10日(土) 21:30~22:10(予定)

デザインとすうがく

ネットワークによる情報量の増大と複雑化に伴い、大量情報の解釈に戸惑うユーザー(生活者)への提示方法の一つの解として、デザインの力に関心が寄せられている。

読み手に理解を促すためのデザイン

ネットワークによる情報量の増大と複雑化に伴い、大量情報の解釈に戸惑うユーザー(生活者)への提示方法の一つの解として、デザインの力に関心が寄せられている。
情報の視覚化にあたっては、視覚化の前段階として、それら情報をどのように整理し読み解くかという視点が重要となる。さらに得られる情報が多様化する現在、今まで以上に多岐にわたる情報の読み取り方や洞察力のような力は重要度を増すと予想される。

情報デザインに活きる「すうがく」

情報デザイン全般に共通して、情報を読み取るとき、数学の基礎的な概念を知らず知らずのうちに用いていることが多い。
数学にアレルギーを示す方もいらっしゃるかもしれないので、基本的な考え方とともに、日常的な思考の中に「すうがく」が用いられていることを教えてくれる絵本をご紹介したい。

安野光雅著『はじめてであうすうがくの絵本』(福音館書店刊)

作者は絵本作家・装丁家として数々の作品をもつ。『旅の絵本』シリーズなど、就学前児童向けの定番絵本としてご覧になったことのある方も多いかと思う。
本書の中では、未就学児から大人までを対象として、いくつかの数学の概念を示している。
●「なかまはずれ」:集合による情報整理
いくつものアイコンがならび、何かの理由で仲間外れになっているものがある。
グループ分けの理由によって、Aというアイコンが仲間外れになることもあれば、別の理由ではBというアイコンが仲間外れになることもありうる。どんなグループ分けの理由を見出すかは筋道さえ通っていれば自由に考えてよい。
これが数学なの?と思われる方もいるかもしれないが、これは明らかに集合の概念の基礎である。集合というと、部分集合だとか空集合だとかやっかいな記号を思い浮かべて辟易とされるかもしれないが、ベン図を用いた情報整理などは割となじみやすい図解であるし、また情報分類による階層分けなどにごく日常的に用いられている。こうした図解は自身の理解も深まるし、さらに的確にビジュアルで示すことで他者への説明にも役立つ。

●「せいくらべ」:単位換算による量の把握
遠く離れた場所に存在する者同士を比べて大小や多少を直接比べることができない場合、どのように比べたらよいかを、棒の長さや瓶の大きさなどの一定の単位に置き換えて比較する方法を示している。度量衡(つまりはかり)を学んでいるわけだが、日常生活やビジネスにおいても、実感しづらい統計値や日常扱う範囲を越えた物量について、腑に落ちる単位(東京ドーム一個分とか山手線一週分の長さなど)に置き換えて捉えることがある。さらにこれをビジュアルで示せると、訴求力のあるインフォグラフィックスコンテンツとして活用することもできる。

この絵本では他にも、「ふしぎなのり」というなんでもくっつけてしまう道具で、ものごとの関係づけということを学ぶ。この「ふしぎなのり」は、別々のものをくっつけたり、あるいはもともと1つのかたちであった図形を複数の形に切り分けたあと、並べ替えたりくっつけたりすることもできる道具なのだが、一見別物と思われる者同士を組み合わせたり、一つの図形だったものが様々な形に変化するさまは、掛け合わせることで思いがけない発見につながる可能性を想起させる。

情報デザインを手掛けるデザイナー、プランナーの方々のお話を伺っていると、情報の視覚化にあたっての表現方法の重要さは言うまでもないが、その根本にある「情報の切り口」と「それをユーザー視点でどのように伝えるか」という指針がポイントであることを実感する。そうしたお話に触れつつ、一見専門領域としては異なる分野と思われがちなデザインとすうがく(解に至るためのプロセス)のつながりに少し意識を向けてみると、新たな展開のヒントになるように思う。

JAGAT CS部 丹羽 朋子
-JAGAT info 2019年8月号より一部転載-

当協会夏季休業に伴う書籍・模擬問題等出荷停止

当協会は8月13日(火)~8月14日(水)を夏季休業とさせていただきます。
これに伴い、書籍の通常出荷は下記の日程において停止します。
皆様には大変ご不憫をおかけしますが、何卒ご了承賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
8月9日(金)午前中      注文締切日
8月10日(土)~8月14日(水)出荷停止期間
8月15日(木)          出荷再開