印刷技術」カテゴリーアーカイブ

オフセット印刷用のJapan Color2001とオフ輪用のJapan Color2003がありますが、枚葉印刷と輪転印刷では何故色が違ってしまうのでしょうか。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:オフセット印刷

Q:オフセット印刷用のJapan Color2001とオフ輪用のJapan Color2003がありますが、枚葉印刷と輪転印刷では何故色が違ってしまうのでしょうか。

A:平版印刷での枚葉印刷と輪転印刷(この場合はドライヤーで熱風乾燥させるヒートセット型オフ輪とします)で色の違いが出るということには、様々な背景があります。
 乾燥の方式による違い
 枚葉印刷は自然に乾燥する方式で、それは植物油が「酸化重合」により固まり、また鉱物油は用紙に「浸透乾燥」することで、インキが時間をかけて用紙に固着されます。一方のオフ輪は紙面上で100度~110度ほどの熱を与え、鉱物油成分を瞬間的に蒸発させることでインキを固着します。この方式の違いにより、インキ表面は異なる印刷面を持つことで、光の反射等の影響もあり色が変わって見えます。

 紙の問題
  オフ輪用紙は縦目の紙を印刷方向に引っ張っていきますが、枚葉紙は縦目・横目の違いもあり、湿し水を含むことで逆目方向に用紙が伸びてしまいます。この影響で見当精度が悪くなり微妙な色変化がありますが、オフ輪の場合は同一の用紙でもこの点はあまり影響がなく、相違点が現れます。また、マット・上質系の用紙では、アート・コート紙よりもインキの量(膜厚)が多くなり、その用紙への転写量の違いでも色が変わってきます。

 根本的な相違は印刷機構の違い
 枚葉印刷は版胴・ブランケット胴・圧胴の3胴で用紙に転写しますが一般的なオフ輪は版胴・ブランケット胴が上下に並び、上下のブランケット胴の間に用紙が流れ、ブランケット胴が圧胴も兼ねて相互のインキを用紙に押しつけています。この違いにより印刷時のドットゲイン(インキの太り)やトラッピング(インキの刷り重ね量)、網点やベタのツブレなどに違いが出ます。この違いがもっとも普遍的なものです。

  枚葉とオフ輪の相違は絵柄・用紙・インキの色相・印刷速度・その他で様々な相違点が出てきますので、一概に答えはありませんが概ね、上記のような要因が主だと考えてください。

 

(2010年3月1日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

ガス抜けとは何ですか

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:オフセット印刷

Q:ガス抜けとは何ですか

A:ガス抜けとは印刷物が積まれるとインキ部分と接する白紙部分が黄変することをいいます。印刷されたインキはセット・乾燥の途中にガスが発生します。そのガスが刷られた紙の裏側に吸着されて黄変し、裏面を印刷するときに、その黄変した部分のインキ着肉が悪くなることがあります。ガスマイグレーションともいいます。
 白紙部分が黄変するのはインキの酸化重合乾燥過程に発生する副生成物質よって、接する白紙面の塗工層成分が黄変するためです。インキ中の植物油量が多い、インキ膜厚が厚い、乾燥促進剤が多いという場合に発生しやすいです。
 対策としては、先刷り面に使用するインキ中の植物油量が多い場合、インキメーカーと相談して植物量を少なく調整したインキを使用するようにしたほうがいいでしょう。そして、後刷り面の印刷時にインキに乾燥促進剤を入れます。また印刷後に風入れ作業を十分に行ないます。

 

(2010年5月17日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

 

ISO認証取得した企業を調べたいがどうしたらいいですか?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:環境問題

Q:ISO認証取得した企業を調べたいがどうしたらいいですか? 

A:ISO認証取得企業は、財団法人日本適合性認定協会(JAB) http://www.jab.or.jp/
のホームページで一覧表となっています。

JAGATでは、ISO9000s、ISO14000を取得された印刷会社・印刷工場のリストをJAGATホームページで更新しながらご紹介しておりますので参考にして下さい。

http://www.jagat.or.jp/品質/環境ISO/情報

 

(2001年11月5日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

 

 

エコマーク入り印刷物を作成するためには申請が必要ですか?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:環境問題

Q:エコマーク入り印刷物を作成するためには申請が必要ですか?

A:基本的には印刷会社の顧客側で申請しなければなりません。
その印刷物が書籍・雑誌のように有料である場合、環境協会に申請して承諾されると2年間の期限で使用ができます。また、パンフレット・カタログ等の無料で配布される印刷物の場合は簡易の申請をして環境協会から承諾を得ることになります。この場合印刷会社が代行もできます。 エコマークの使用については、詳細の規定があり詳しいことは環境協会のホームページに掲載されております。使用の際にはお問い合わせして確認すべきでしょう。

財団法人日本環境協会 http://www.jeas.or.jp

 

(2001年11月5日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

 

光沢加工された印刷物は,燃えないゴミに分類されますか?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:環境問題

Q:光沢加工された印刷物は,燃えないゴミに分類されますか?

A:光沢加工されたゴミは可燃ゴミになります。東京都清掃局から排出事業者及び収集運搬業者に出された文章では、「紙にビニール等コーティングしてあるものは紙くずとして扱う」と明記されています。さらに、この文章では、紙加工品製造業、出版業、印刷業等で発生するコーティング紙は、本来産業廃棄物ですが、可燃ゴミとして一般廃棄物と一緒に焼却し、燃える殻を埋め立て処分することもあわせて通達しています。
(「GLOSS PROCESSING」東京都光沢加工紙協同組合より) 

 

(2001年11月5日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

 

 

光沢加工された製品はリサイクル可能ですか?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:環境問題

Q:光沢加工された製品はリサイクル可能ですか? 

A:光沢コート、プレスコート加工された印刷物は、加工されていないものと分別しなくても、再生紙としてリサイクルされます。またPP等ラミネート加工された印刷物でも,PPと紙を分離してそれぞれを再利用することは可能である。すでに大手製紙メーカーや多くの再生紙メーカーで再生分離工程を整備し、紙のリサイクルがすすめられています。
一方、ラミネートされた紙や分離されたフィルムをRPF(固形燃料)化して、企業や自治体施設のボイラーの燃料とする動きがあります。
(「GLOSS PROCESSING」東京都光沢加工紙協同組合より)

 

(2001年11月5日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

 

 

SOYシールマークはどこに申請したらもらえますか。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:環境問題

Q:SOYシールマークはどこに申請したらもらえますか。

A:大豆油インキは、米国農業団体による大豆の消費拡大と、環境保全運動の高まりを背景に、主として新聞インキの環境対策として開発されました。従来の新聞インキは、石油精製の残留物を主原料としており、発ガン性が疑われる有害物質を含んでいました。 
現在の米国の新聞インキ分野では大豆油インキが主流になっています。
 SOYシールマークは、アメリカ大豆協会の認定基準に基づいて製造した製品であることを表示しています。この認定基準は大豆油の含有量についてのみ規定しています。大豆油の含有量は理想的には全量置き換えですが、実用上の問題もあり、各種インキ毎にそれぞれ実現可能な範囲で含有量が設定されています。アメリカ大豆協会の認定は、品名のみで内容のチェックはありません。企業の自己責任において実施することになっています。
 大豆インキを使用した印刷物について、アメリカ大豆協会の指定の用紙に記入して郵送すると、認定書とSOYシールの版下等が送られてきます。費用はかかりません。
印刷物に「大豆油インキ」を使用した「大豆油インキ使用シール」を印刷して、環境に配慮していることが強調できるようになっています。
 大豆油インキを使用した印刷物で、特に「大豆油インキ使用シール」を表示しなくても法的な問題はありません。しかし、「大豆油インキ使用シール」を表示することにより、その企業のPRにもつながります。また、「大豆油インキ使用シール」を表示するよう行政指導している自治体もあるそうですので、申請して表示の認定を受けることをお勧めします。
  アメリカ大豆協会 東京オフィス
   〒107-0052 東京都港区赤坂1-1-14 溜池東急ビル7F
     TEL 03-5563-1414 FAX 03-5563-1415
  資料: (株)T&K TOKA 「大豆油インキ(枚葉)Q&A」より

 

(2002年2月4日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

 

光沢加工について教えてください。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:環境問題

Q:光沢加工について教えてください。

A:光沢加工とは、印刷物に樹脂をコーティングしたり、PP(ポリプロピレン)などのフィルムを貼りつけることで、印刷物の強度、耐水・耐摩擦・耐光等の耐久性、防菌性を向上させます。また印刷物の表面に艶を出したり、光と影の演出を施したりして、商品に高級なイメージを与え、印刷物のお化粧としてその美装効果を高めています。代表的な加工として、光沢コート、プレスコート、ラミネート加工があります。 
 光沢加工に使われている素材は、人間の身体だけでなく地球環境にも配慮した安全かつ衛生的なものです。光沢加工が施されている製品については、器具や食品添加物等の使用を定めた厚生労働省の規格基準に完全に適合しています。PPフィルムの場合、幼児や子供が舐めたり触ったりしても安全なように設計されています。
 最後に光沢加工の場合、使用する素材そのものからはダイオキシンは検出されません。ダイオキシンは、排ガス温度が300℃程度の時に発生しやすいといわれています。ダイオキシンはゴミの焼却だけでなく自動車の排気ガス、ストーブの煤、煙草の煙、焼き魚、山火事等からも検出されています。
 光沢加工製品及びその技術は、地球環境にやさしい無公害の技術です。
(「GLOSS PROCESSING」東京都光沢化工紙協同組合より)

 

(2002年2月11日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

水なし印刷の印刷物に付いている「バタフライマーク」について教えて下さい。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:環境問題

Q:水なし印刷の印刷物に付いている「バタフライマーク」について教えて下さい。

A:バタフライマークとは、「この印刷物は、水なし平版によって印刷されたものです」ということを表示するマークのことです。 

【Waterless Logo使用のための手続き】
1.水なし印刷を実施している印刷会社、または今後実施しようとしている印刷会社は下記日本WPAホームページから、登録フォームでに申し込みます。
2.日本WPAはシカゴにあるWPA本部に、翻訳後、正式に登録します。
3.登録終了後、マークの使用を認証する通知がe-mailにて届きます。
4.認証通知と同時にパスワードが発行されます。
5.ホームページ上でパスワードを入力することにより、ウォーターレスマークをダウンロードして各印刷物に使用できます。
 このようなマークを印刷することにより、印刷会社の得意先の企業にとっても環境に配慮した事業活動をしていることをアピールできることになります。

【WPA結成】
 1978年、アメリカで産業廃棄物を下水道に排水する取り締まり強化のための条例「事前処理基準」が制定されてから14年後、バージニア州環境改善局は、水なし平版の使用を奨励しました。この時に行政が印刷業者に対し、規制厳守につながる版材の使用を啓蒙する動きが出てきました。
 そして、1993年9月、印刷業者40社機材メーカー27社がシカゴに集まり、水なし平版の採用を啓蒙する団体「WPA(Waterless Printing Association)」が結成されました。団体はすぐに水なし印刷実施のトレードマークをつくり、使用基準を明確にしました。水なし版を使い環境保全に積極的に取組み、しかも品質の高い印刷物を製造する印刷会社にしか使用許可を認めないという厳しい使用基準でした。
 その後、水なし印刷を認証するWaterless Logo(バタフライマーク)へと変更されました。 1997年、ドイツでもデュッセルドルフでEWPA(Europa Waterless Printing Association )が結成されました。

【日本WPA】
 Waterless Logoは、R100やSOYINKなど、環境ラベルと同じように行政や企業、そして印刷業者からマーク取得の気運が高まってきました。2001年の「環境報告書」で初めてWaterless Logoを掲載したトヨタをはじめ日産、国土交通省、オムロン、セイコー電子、などの企業や行政が発信する印刷物にウォーターレスを掲載しており、水なし印刷を指定する企業数が増えています。そしてJGAS2001で日本全国のWPA加盟印刷会社が集まり、日本のWPA活動が始まりました。
2002年4月のIPEXにおいて、WPA本部との調印を終え、5月、正式に「日本WPA」として発足しました。今後日本WPAは、水なし印刷を通じた情報交換、会員間の交流と協力、情報発信、セミナー・見学会の開催などを行い、WPA本部とも歩調を合わせて環境保全や会員の事業発展を目指して活動行くこととなります。

【水なし印刷の環境保全】
 通常のPS版はPh12以上の強アルカリ現像廃液が発生し、湿し水廃液は水質汚濁防止法で定められたBOD、CODなどの基準値を超えていますので、特別管理産業廃棄物として回収が義務づけられています。
 平成13年10月に施行された東京都の環境確保条例で、IPAは「適性管理化学物質」として使用説明の報告が義務づけられました。また、日本印刷産業連合会やグリーン購入ネットワーク(GPN)では、オフセット印刷におけるグリーン基準を設定し、IPA5%以下の使用を自主規制するよう啓蒙し始めました。
 水なし版は、有害な廃液が一切出ない水現像方式です。現像処理後の排水は下水に流すことができます。
 水なし版表面のシリコンゴム層が水あり版の湿し水に相当し、インキを反撥します。そのため、エッチ液やIPAなどの有害物質を含む湿し水を使用していません。

 日本WPA
〒112-0006
東京都文京区小日向2-31-14
日本WPA事務局・五百旗頭(いおきべ)
TEL 03-5976-8031 FAX 03-5976-8030
URL:http://www.waterless.jp
e-mail : t.iokibe@tcn-catv.ne.jp

資料提供:東レ株式会社 印写システム事業部

 

(2002年5月20日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

 

 

「Rマーク」はどこに申請したらとれますか。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:環境問題

Q:「Rマーク」はどこに申請したらとれますか。 

A:「再生紙使用マーク」(Rマーク)は、平成6年9月に大阪で行われた第3回ごみ減量化推進全国大会において大阪府廃棄物減量化・リサイクル推進会議より全国への提言として出されたもので、古紙利用製品の利用促進及び古紙の需要の増加を図ることを目的としています。  
 平成7年6月の第3回総会において、大阪府廃棄物減量化・リサイクル推進会議から提案され、全国的に普及啓発をしていくことが決定されました。

 古紙を使っている場合でも、どの程度古紙が配合されているのかよくわかりませんので、再生紙を使用して作成したあらゆる印刷物の表裏表紙等にこのマークを刷り込んで表示することによって古紙配合率が一目で判るというものです。

「再生紙使用マーク」を使用するさいの注意点
● 再生紙を使用した印刷物等の表裏表紙等に刷り込み、表示すること。
● マークの使用については、特に申請や届出等は必要ありませんが、マークの形を崩さずに、製紙メーカーや印刷会社にご確認いただき、正しい数字を表示すること。
● マーク自体が紙のリサイクルを目的にしている関係から、コーティングしたものや、他の素材との複合等へは誤解を生じるような恐れがあるので使用しないでください。
● 大きさ、色は自由です。表紙と中面で古紙配合率の違う紙を使用した場合は、両方を表示すること。
● このマークは特別な申請は必要はなく、下記ホームページでダウンロードできます。

  資料提供:ごみゼロパートナーシップ会議 事務局
       〒113-0033 
        東京都文京区本郷3-3-11 IPBお茶ノ水7F 
        社団法人全国都市清掃会議内 (担当:調査普及部)
         TEL 03-5804-6281 FAX 03-3812-4731 
         URL:http://www.gomizero.jp/main.html

 

(2003年8月4日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)