【DTPエキスパートカリキュラムver.12】[印刷技術]3-7 情報管理

掲載日:2016年11月1日
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3-7-1 情報交換

  • 小ロット化が一段と進むなかワークフローの重要度が増している。印刷物の仕様や機器制御のための情報をデータ交換することにより、自動化や省力化を実現しようという試みが交換されるデータ形式の標準化とともに進んでいる。
  • デジタル化されたプリプレスデータを印刷、後加工の機器制御に活用しようとして生まれたのがCIP3という国際標準化団体である。
  • CIP3とはThe International Cooperation for Integration of Prepress,Press and Postpressの略称で、プリプレス、プレス、ポストプレスという印刷物の製造工程をデジタルで統合することを目的としている。
  • 具体的には集版データ(面付け済みの出力前データ)から版面情報(絵柄の網点面積率)、裁ちトンボや折りトンボの位置などの情報を取得し、紙の作業指示書ではなくデジタルデータを直接、製造機器に伝えることで印刷機や断裁機、折り機などの自動プリセット(事前設定の自動化)を実現しようとするものである。CIP3が定めたデータ交換のための標準フォーマットをPPF(Print Production Format)という。CIP3のPPFファイルは印刷機のインキキーのプリセット用途で大きな効果を発揮し、現在でも多くの印刷会社で利用されている。
  • CIP3は2000年にCIP4へと形を変えた。「Processes in」という言葉が追加され、The International Cooperation for Integration of Processes in Prepress,Press and Postpress となった。CIP4が定めている標準化フォーマットがJDF(Job Definitions Format)である。JDFの最大の特徴は、PPFではデータの流れがプリプレスからそれ以降の工程への一方向であったものがJDFでは双方向のデータ交換が可能となったことである。これにより作業結果(作業にかかった時間、使用した用紙枚数など)を製造機器からフィードバックすることが可能となる。
  • ワークフローを統合し、CIM(Computer Integrated Manufacturing:
    コンピューター制御による統合生産)を実現する要素技術として期待されている。