【DTPエキスパートカリキュラムver.12】[情報システム]4-3 ネットワーク

掲載日:2016年11月1日
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4-3-1 ネットワーク構成

  • コンピューターネットワークの構築には、ネットワークOSやサーバーOS、サーバー用やクライアント用のアプリケーション、接続するLAN(Local Area Network)ケーブルと周辺機器や、無線LAN環境などが必要である。
  • 代表的LANであるEthernetは、同軸ケーブルを使用したバス型の10Base5や10Base2により配線していたが、対線(ツイストペアケーブル)を用いる10Base-Tや100Base-T、1000Base-Tによる配線が主流となった。
  • 各機器からのケーブルを集線する装置であるハブ(HUB)は、スター型配線で、媒体共有型のリピーターハブに加え、スイッチングハブが主流である。
  • 無線LANを有線LANと接続する場合や、無線LANからインターネットに接続するには、アクセスポイントを経由するインフラストラクチャモードを使用する。パソコンを移動してもアクセスポイントを自動的に切り替えるローミング機能を利用する。
  • 無線LANと有線のEthernetは、中継機とハブを接続することで1つのLANとして構成できる。
  • IEEE802.11b規格に準拠している無線LANの製品は、最大11Mbpsの速度で通信できるが、電波状態が悪くなると自動的に速度を落とす仕組みになっている。IEEE802.11g規格では最大54Mbpsの速度がある。
  • 無線LANを使用する場合、アクセスポイントまでの距離や電波を通しづらい金属やコンクリートなどの障害物への配慮が必要である。

➢ Bluetooth

  • Bluetoothとは、携帯情報機器などで数m程度の機器間接続に使われる無線通信技術のひとつである。免許なしで自由に使うことのできる2.45GHz帯の電波を利用し、最高24Mbpsの速度で通信を行うことができる。ノートPCとキーボードやマウスなどの周辺機器を無線で接続し、データをやりとりすることができる。近年では、スマートフォン、タブレットPCの周辺機器との接続や、携帯電話のハンズフリー通話にも使用されている。
  • スウェーデンのエリクソンが開発した技術をもとに、IBM、Intel、Nokia、東芝などが中心となって設立されたBluetooth SIGが仕様策定や普及を推進している。IEEEによってIEEE 802.15.1として標準化されている。

IEEE802.11規格

4-3-2 ストレージ

  • サーバーで使用されるRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)は、ハードディスクの故障によるデータ損失を防ぐため、ディスク装置の多重化によるデータの冗長性で、故障時のデータの自動修復を行う1つの手法である。

RAID 種類(準備中)

  • RAIDの導入により、ドライブの集合を1つの巨大なドライブとみなすことができるようになる。
  • NAS(Network Attached Storage)は、LAN対応の外付けハードディスクとして使用されることがあり、1000Baseといった高速ネットワークの普及とともに使用方法が拡大した。
    今日のサーバーコンピューターのように、ネットワーク上に配置されるストレージ用のファイルシステム専用サーバーである。
    内部には、OSとファイルに関するプロトコルを処理するソフトウェアが組み込まれている。ネットワーク上にデータを送信するため、ネットワークに負荷がかかる傾向がある。
  • SAN(Storage Area Network)は、ストレージに適したコンピューターネットワークを別に用意するものであり、ネットワークに対するオーバーヘッドはNASよりも小さいが、異なるファイルシステムを持つサーバー間でのデータ共有に困難を伴う。
    データの転送効率を優先的に考えているために、光ファイバーやハブ、その他ネットワーク機器などに対する投資が必要となる。

4-3-3 プロトコル

  • プロトコルとは、通信を行う際にデータを正しく送受信するため、送信側と受信側のそれぞれが処理する手順を指す。
  • 目的とする通信の内容や、伝送路の形態(ネットワークの有無)などにより、種々の構造化されたプロトコルがある。構造を階層化したISO標準モデルとして、7階層のOSI(Open System Interconnection)がある。
  • 電気的または機械的な接続を可能にするためのプロトコルは、回線の種類と電気的な配線について接続方法が規定されている。
  • プロトコルには、伝送路でデータに誤りが発生した場合の訂正方法や、正しく受信した場合の合図の送り方などが規定されている(伝送制御手順)。
  • インターネットのレイヤー構造は、インタフェース層を含めて5階層(またはインタフェース層を考えない4階層)で構成され、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコルはソフトウェアによるパケットといった単位の情報で制御を行い、ネットワークの種類を問わず信頼性の高いデータの送受信を行う。
  • 通信プロトコルの上位には、送受信のタイミングや使用する文字コード、データの圧縮方式、ファイル転送の方法などのプロトコルが必要になる。

4-3-4 インターネット

  • インターネットは、通信プロトコルであるTCP/IPを用い、世界中のネットワークを相互に接続した巨大なコンピューターネットワークである。
  • ルーターは接続するコンピューターへの経路を決定する装置であり、インターネットでは、経路中の専用または汎用コンピューターなどが使用される。
  • 経路となるネットワークが寸断された場合は、ルーターが迂回経路を見つけ出すため接続性が高い。
  • データを細切れのパケット単位で送信する方法(パケット通信)を採用しているため、中継に使用されるコンピューターシステムの負荷が軽く、ネットワークの柔軟性を高めている。
  • IPパケットのヘッダーには、送信元アドレス、送信先アドレス、プロトコル種別、ポート番号などが含まれており、プロトコルはTCPが採用されている。
  • ネットワークの単位となる名称は、ドメインにより管理されている。インターネットに接続する各装置にはIPアドレスが割り振られており、それに対応するホスト名をDNS(Domain Name System)が管理している。
  • インターネット上のサーバーコンピューターは、用途によりさまざまなものがあり、これらが組み合わされて使われている。一般的に必須とされるDNSサーバーをはじめ、POP(Post Office Protocol)サーバーやSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバーは電子メールで使用される。
  • IPパケットのヘッダー内に含まれるポート番号により、送信される情報のサービス種別が識別され、例えばHTTPであれば80となっている。

4-3-5 クラウド

  • クラウドコンピューティングでは、サーバーが連携し合い、クラウド(雲)と呼ばれる仮想化された1個のコンピューターリソースとして捉えられる。
  • 従来は、ユーザー自身がハードウェアやソフトウェア、データなどを自分自身で保有・管理していたのに対し、クラウドではインターネット上で提供されているさまざまなサービス(クラウドサービス)についてユーザーが必要な機能を必要な分だけ選択して利用するといった形態となる。ユーザーが用意するものはインターネットへの接続環境のみである。
  • 主なクラウドサービスとしては、Google App EngineやAmazon Web Services、Microsoft Azureなどが有名である。