奥付けは書籍を出版する際に必要なものなのでしょうか。

掲載日:2014年8月17日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:その他

Q:奥付けは書籍を出版する際に必要なものなのでしょうか。

A:戦前は出版法により奥付けは義務づけられていました。出版法とは、明治時代に出版物の取締りを目的として制定された法律です。検閲などを政府が行えることを定め、明治憲法下で政府による言論統制を推し進める根拠の一つとなっていました。 
 終戦後、GHQが言論の取締りを禁じたこと、日本国憲法第21条において表現の自由と検閲の禁止が定められたことに伴い、本法は有名無実となり、1949年に廃止されました。 それ以降、奥付けは戦前からの名残として習慣的にいれるようになりました。したがって、奥付けは法律的にはなくても問題はありません。
 しかし、実質的には読者にとって、いつ誰が出版し、執筆者は誰でどこの印刷会社で印刷されたのか等、分からないと困ることもあります。したがって、読者のことを考えると奥付けは出版する上では必要な掲載事項と考えてもいいでしょう。特に初版の発行に際して年月日は重要です。これは、本の著作権が発生した期日が表記によって明確なものになるからです。英語でcolophoneといわれており、諸外国でも習慣的に付けられています。

 

(2009年3月2日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)