用紙のカールと印刷の条件(009)

掲載日:2014年9月10日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 管理

用紙のカールと印刷の条件(009)

【概要】
 印刷の条件によって用紙の波うち,オチョコ,カールはどう現われますか?

 【解決方法】
 用紙の波うち(ウェイビーエッジ)は印刷の条件よりも,工場内環境に左右されます。通常印刷用紙は相対湿度55~60%程度で安定する水分を持っています。その用紙を裸にして,工場内に放置しておくと,用紙の周りの湿度が80~85%と高い時は空気中の湿気はどんどん用紙の周りから入って,紙のパルプ繊維を膨潤させます。積まれた用紙の中央部は水分の変化が無く,周りはパルプが膨潤して伸びるため波うちが起きます。
 反対に,周りの湿度が25~30%と低い場合は,用紙の周りから紙の湿度がどんどん空気中に放出され,パルプ繊維が縮みます。それがオチョコ(タイトエッジ)となって現われます。
 冬の寒い時に波うちが起きる理由は,用紙が冷たい所に保管され,急に暖かい印刷室に持ち込まれた時に,冷たい紙の周りに湿気を含んだ空気が取り付きその湿気が用紙の周りから入り込み,波うちを起します。印刷用紙は印刷室と同じ環境の場所に最低2日は置きたいものです。

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)