印刷業定点調査 各地の声(2016年12月度)

掲載日:2017年3月22日

12月の売上高は9カ月連続の減少となる△1.4%。9カ月連続減少は大震災のあった2011年3月~11月以来の落ち込み。一方、受注件数が2カ月連続の増加に転じたことは目先の底打ちの兆候を示しているかもしれない。

地域別では、首都圏(△4.4%)が8カ月連続の減少、大阪圏(△2.1%)が9カ月連続の減少、東西の2大都市圏で不振が続いている。全国的に落ち込むなか、名古屋圏(+3.1%)の復調が際立つ。2カ月連続でマイナス幅を縮めて3カ月ぶりのプラスに転じた。

業種・業態別では、商業印刷(△2.6%)が9カ月連続の減少。出版印刷(+8.4%)は時おり突飛高となるが、毎月の振れ幅が大きくトータルの差し引きでは落ち込んでいる。地方に多い業態の総合印刷(△1.3%)は3カ月連続の減少。紙器・事務・その他(△4.5%)は業種・業態別で落ち込み幅が最も大きい。

材料仕入額は、用紙(+1.4%)は3カ月ぶりの増加。インキ(+2.0%)は2カ月ぶりの増加、CTP/PS版は(+3.3%)は3カ月ぶりの増加。労働時間(△3.4%)は8カ月連続の減少で、受注が先行して回復、材料の仕入れも増加したものの、工場の稼働と売上高は依然として低調、といった状態になっている。

【印刷会社経営者の声】

茨城:商業

厳しい環境ですが、昨年種まきした所には手応えを感じています。

東京:商業

業務が広範囲になり、なんでもできるスーパーマンがいれば…、と想像してしまいます。「コラボレーション」「協業」の必要性を年々感じますが、変革が難しいです。どうしたら「文化」まで落とし込めるのだろうか…。

東京:商業

設備投資した新サービスがいよいよ始動。マーケティング部で戦略を立て、営業部ではツールを使ったロールプレイングに取り組む。本格展開中。

長野:総合

アプローチをする。企業の選択をする。特化する企業/市場を選び多様な製品サービスを提供する。選んだ分野の専門性を磨きながら対応領域を広げる。顧客から見た我々の価値を高めること。

愛知:総合

輪転機の老朽化が気になります。

岐阜:総合

早いもので1年が過ぎ、新たな年を迎えた。これまでなんとか計画以上の業績で推移しているが、はたして2017年はどんな年になるか。不透明な時代だからこそ、しっかり自分の意思を持たなければいけないと思った新年です。

岐阜:その他

「努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る」とは作家井上靖の言葉。「希望を語る人」を育てるのは経営者の仕事。難しい。

和歌山:商業

弊社ではマーケティングを「人の気持ちを知ること」と定義しています。今年度はまずお客様やお客様の商品・サービスにもっと興味を持ってもらい、ユーザー視点での営業活動に反映したいと思っています。

兵庫:商業

営業担当者の印刷知識、デザイン力が受注を大きく左右するようになった。また、入紙、封緘等の作業が増加し手間が増えた一部地区では外国人旅行客が大幅に増え、蟹シーズンを迎え活況を呈しています。

鳥取:商業

工場勤務の新卒を募集しても応募がない。給与は引き上げたのに…。