生成AIの可能性を探求し、1000件のユースケースづくりを目指す
大日本印刷株式会社(本社:東京 代表取締役社長:北島義斉 以下:DNP)は、社外のパートナーが生成AIを活用した多様なユースケース(使用事例・用途例)に触れ、DNPとともに生成AIの可能性を探れる施設「DNP生成AIラボ・東京」を2023年12月4日(月)に開設します。
本施設(東京都新宿区市谷左内町31-2 DNP左内町ビル内)で利用者は、生成AIの活用イメージを実際に体験して、さまざまなアイデアについて議論し、具体的なユースケースに発展させ、実際に動くプロトタイプ(試作品)を開発できます。DNPは、生成AIを活用した多様なテーマで社外のパートナーとの協働(コラボレーション)を促進し、新しい価値の創出につなげていきます。
【「DNP生成AIラボ・東京」開設の背景】
国内外で現在、生成AIのユースケースづくりや業務での利用が進んでいます。さまざまな企業・団体は、どのようなシーンで生成AIを活用するかといった検討を活発に行い、アイデアを迅速に形にして、価値を検証していくことが求められています。
DNPはDX推進の一環として、2023年5月に、国内外の約3万人のグループ社員が生成AIを活用できる環境を構築しました*1。社内のコミュニティなどを通じてさまざまな情報発信や勉強会を行い、生成AIについてのリテラシー向上と利活用ができる人材の育成に取り組んでいます。その一環として、表組みを含む業務データの文書構造を解析するAIを開発しています*2。また、2023年10月には、生成AIを活用した価値創出に向けて、関連するメンバーが相乗効果を発揮しやすいように、専門組織「生成AIラボ」を立ち上げました。これにより、生成AIを活用した「新製品・新サービス創出」と「既存の製品・サービスへの新たな価値の付加」を加速させていきます*3。
こうした動きを受けて今回DNPは、アイデア等の検討段階から社外の多様なパートナーと協働し、新製品・サービスを創出するアプローチを具現化する施設として「DNP生成AIラボ・東京」を開設します。
*1 リリース:DNPグループ社員3万人に向けて「生成AI」の利用環境を構築 https://www.dnp.co.jp/news/detail/20169392_1587.html
*2 構造化AI : 各種文書をコンピュータと連携できるデータ形式に変換するシステム
*3 生成AIを活用したDNPの取り組み → https://www.dnp.co.jp/biz/column/detail/20170006_2781.html
【「DNP生成AIラボ・東京」の概要】
DNP社員のアテンドによる来館者に生成AIを活用したデモンストレーション等を体験していただき、アイデアやユースケースについての対話と協働を進めるための施設です。ユースケースの具現化に向けたプロトタイプ開発にもつながるよう、3Dプリンターやレーザーカッター等のツールも準備しています。
〇 対話ゾーン(2階):生成AIの利活用について議論し共創するエリア
生成AIの活用アイデアやユースケースについてディスカッションする空間です。議論の内容をリアルタイムに記録し、生成AIが対話に応じた画像を自動的に画面に表示して、活発な議論を促します。
〇 開発/工房ゾーン(1階):アイデアから実際に動くプロトタイプをつくる開発エリア
対話から生まれたユースケースのプロトタイプを、コーディングを行わずプログラミングの専門知識が不要な「ノーコード・ローコード開発ツール」で開発します。ガジェット(装置等)を利用するユースケースでは、3Dプリンターでモックアップ(模型等)を作成します。
〇 デモ体験ゾーン(地下1階):生成AIを利活用し多様なユースケースを実際に体験できるエリア
生成AI活用のユースケースのデモンストレーションを体験できます(オープン時は15件)。AIによる文章や画像等の生成を実際に体験し、アイデア創出に向けた情報を取得していただけます。
【今後の展開】
DNPは、社外のパートナーとの共創を進め、2024年度には生成AIを活用した5つのサービスを市場投入する計画です。この目標達成に向けて、1年間で1,000件のユースケースを創出し、その中から20件の実証実験を行います。多様な業種・業態の企業と連携してきたDNPの知見を活かすことで、社外のパートナーとともに新しい価値を開発・提供していきます。
【ユースケースの事例】
〇 落とし物の届け出を促進するアプリ : 落とし物を撮影するだけで対象物の特徴を反映したオリジナルキャラクターを生成。落とし物を届けるたびにキャラクターをコレクションできます(画像参照)。
〇 文書を生成AIで利用できるデータに変換するサービス : PDFやWord形式などの各種文書をLLM(Large Language Model / 大規模言語モデル)と連携できるデータ形式に変換します。例えば構造化AIを用いて、社内規定や製品仕様など文章・表・図を含む文書から、文書の構造に沿ったLLM用データを生成します。
〇 視覚障がい者の方に感動を届けるアプリ : 情報端末に映る景色を生成AIが自動的に文章化し、音声で伝えます。
〇 チラシ掲載の食材からレシピをレコメンドするアプリ : チラシ掲載の画像から食材等を識別し、それを使って作れる料理のレシピをレコメンドします。