企業文化を成長のエンジンに

掲載日:2026年2月8日

page2026カンファレンスでは、社員の学びとチャレンジを企業文化として根付かせることで変化の激しい環境下での競争力としようとする2社の取り組みを取り上げる。

従来の「印刷物の製造請負」を中心としたビジネスモデルだけでは持続的な成長を描きにくくなっており、お客様や地域などが抱える課題解決型のビジネスモデルへの転換が求められている。

しかし、課題解決型ビジネスへの転換は、設備を入れ替えれば実現するものではない。お客様の業界やビジネスを理解し、目的や課題を言語化し、最適なコミュニケーション手段を設計する力が必要となる。その担い手となるのは、言うまでもなく「人材」である。

一方で、印刷業界では長らく「人材投資はリスクが高い」と考えられてきた。教育に時間とコストをかけても、育った人材が辞めてしまうかもしれない。その点、設備投資は目に見える成果があり、「機械は裏切らない」という感覚が、経営判断の根底にあったように思える。

しかし、VUCAの時代と呼ばれる現在、その前提は大きく揺らいでいる。高額な設備投資を行っても、その設備を前提としたビジネスモデルが、5年後、10年後も通用する保証はない。市場環境や顧客ニーズの変化スピードは速く、固定化された強みは、時として弱みに転じることも十分に想定できる。

こうした環境下で企業が競争力を維持・強化するためには、「変化に適応する力」が不可欠となる。そして、その力の源泉となるのが、人材の学習能力と挑戦意欲である。新しい知識を学び、失敗を恐れず試行錯誤し、状況に応じて自らの役割や提供価値を変えていける人材こそが企業の競争力となる。

ここで重要になるのが、「企業文化」である。学ぶことが評価される文化、チャレンジすることが歓迎される文化がなければ、人材投資は成果につながらない。研修を受けても現場で活かせない、提案をしても否定される──そうした環境では、人は成長を止めてしまう。逆に、学びを共有し、小さな挑戦を称賛する文化があれば、人は自ら考え、行動するようになる。
人材への投資と、それを支える企業文化は、短期的なコストではなく、将来に向けた成長エンジンとなるだろう。

page2026カンファレンスでは、岐阜文芸社と文方社の2社の取り組みを紹介する。
2社の取り組みの内容は異なるが、社員の学びとチャレンジを評価するという姿勢は共通であり、それを企業文化にまで高めつつある。

(研究・教育部 花房 賢)

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