2025年度の上場印刷企業35社のうち、女性管理職比率を開示している28社の平均は11.4%。厚生労働省「雇用均等基本調査」によれば、女性管理職比率は13.8%、製造業は9.7%にとどまっている。(数字で読み解く印刷産業2026その8)
上場印刷企業36社のうち、2026年には4社が上場廃止
JAGAT『印刷白書』では、社名もしくは特色などに「印刷」とある企業を、上場印刷企業としています。各社の業績は決算短信と有価証券報告書で見ていますが、提出時期の関係で2025年6月期決算から2026年5月期決算までを2025年度としています。
上場印刷企業の社数は、親会社による完全子会社化による上場廃止がある一方、新規上場もあって33~36社で推移してきました。2026年には4社が上場廃止となり、3月27日にトーイン(他社による買収)、5月29日にラクスル(MBO)と続き、10月1日には上場維持基準への不適合で、光陽社とカワセコンピュータサプライが上場廃止となります。
『印刷白書2026』では、2025年版の36社からトーインを除いた35社の企業力などを見ています。2025年度業績を見ると、35社の売上高合計は4.3兆円(前期比4.1%増)で、増収19社、増益18社と堅調です。
上場印刷企業28社の管理職に占める女性の割合は11.4%
2023年3月期決算以降の有価証券報告書から、人的資本の情報開示が義務化され、管理職に占める女性労働者の割合(女性管理職比率)が開示項目の選択肢の一つとなりました。上場印刷企業35社のうち、女性管理職比率を開示している28社の平均は11.4%(前期は26社10.4%)です。
女性管理職比率34.0%のMICは、人的資本に関する目標として、女性正社員比率50%(2025年度実績43%)、産休育休復帰率100%(同100%)、男性正社員の育児休業取得率50%(同100%)を掲げています。
次いで26.0%のクレステックは、中途採用者や女性が活躍できる社内環境の整備に取り組んでいます。
日本の女性管理職比率は13.8%、諸外国は30%以上
厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」によれば、女性管理職比率は13.8%で、前年(13.1%)より0.7ポイント上昇しました。産業別にみると、「医療、福祉」53.6%が突出して高く、次いで「教育、学習支援業」21.3%、「生活関連サービス業、娯楽業」20.1%となっています。「製造業」は9.7%で、前年(7.6%)より2.1ポイント上昇しました。
また、労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2026」によると、女性管理職比率はアメリカ42.9%、シンガポール40.1%、フランス39.5%、ドイツ29.1%など、諸外国がおおむね30%以上となっているのに対して、日本は大幅に低くなっています。
『印刷白書2026』(2026年10月末発刊予定)の上場印刷企業35社の分析では、事業展開の特色と売上高構成比、個別業績による規模・収益性・生産性・安全性・成長性、連結業績による設備投資総額・研究開発費、キャッシュフローバランスなどを比較しています。
限られた誌面で伝え切れないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信していきます。ご意見、ご要望などもぜひお寄せください。
(JAGAT 研究・教育部 吉村マチ子)


