紙粉により人物の顔の中央部分に汚れがでた印刷物が納入されたが、紙粉を無くすることはできないのでしょうか。

掲載日:2014年8月11日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:オフセット印刷

Q:紙粉により人物の顔の中央部分に汚れがでた印刷物が納入されたが、紙粉を無くすることはできないのでしょうか。

A:基本的に顧客は、紙面に汚れがある印刷物が納品されるとクレームをつけるケースが多いです。この場合は刷り直しや値引きになるケースが多いです。 
 紙粉とは紙面にある粉末状のゴミのことです。断裁の際に生ずる粉末状の切りくずが紙面に着いたものや製紙段階のスーパーカレンダー工程時の細かい粉、紙の表面から離れたテン料・繊維片などから生じます。
 細かいパルプ繊維が印刷中に紙の表面から剥離され、ブランケット表面に堆積したり湿し水に入りpHが変動することがあります。特に細かいダスト状の紙粉は版やブランケットに付着しインキ着肉不良の原因になります。
 対策としては紙をフィーダ部に積む前によく突き揃えをして風入れを行いながら紙粉の除去作業を行う、紙に対する印圧を若干少なくする、ゴミ取りローラーを使用する、版に捨てベタを入れるということが行なわれています。
 しかし、こうした対策を施しても紙粉は紙の性質によって出やすさが違ってきますが、多かれ少なかれどんな紙でも出るものです。したがって印刷機のオペレータは数百枚毎に抜き取りをして常に紙面のチェックをしなければなりません。もし、汚れを発見したときには機械を停止して版面とブランケットの洗浄をします。印刷現場としてはこのような紙粉発生防止対策と印刷時のチェック作業を行い、紙面に汚れや白抜けがでた印刷物が顧客に納品されないように努力しています。

 

(2008年5月12日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)