印刷業定点調査 各地の声(2015年6月度)

掲載日:2015年9月30日

6月の売上高+1.1%、2カ月連続ほぼ前年並みで安定推移している。

地域別では、首都圏が△6.2%の大幅な落ち込みとなったが、九州を除く首都圏以西は売上高がプラス。輸出産業の好調な名古屋圏が+5.0%と高い。首都圏は商業印刷が低調で3月から4カ月連続のマイナス。3月まで10カ月連続マイナスだった大阪圏は2カ月ぶりのプラス。

業種・業態別では、商業印刷(+1.5%)が2カ月ぶりのプラス、出版印刷(+2.4%)が4カ月ぶりのプラス。逆に総合印刷は2カ月連続の失速でマイナス転換(△3.0%)した。
紙器・事務・その他(+3.7%)は、2015年に入って月による変動が大きい。総合印刷(△0.6%)は3カ月ぶりのマイナスだが、実質的にはほぼ前年並みで堅調に推移していると見ていい。

受注件数は+1.4%。2カ月ぶりのプラスと4月以降はプラス圏に浮上する月も現れるようになってきたが、安定しない。
用紙仕入額は+8.0%、インキ仕入額は+3.5%、両者とも4月以降は高水準で推移。CTP/PS版は△1.1%、6カ月ぶりのマイナス圏とようやく落ち着いた。
労働時間は実に14カ月ぶりの増加。工場稼働率の高まった可能性はあるが、1カ月だけでは一過性か持続的か現時点で判断できず、今後を見て判断する必要があるだろう。

2015年の上半期を終え、売上高+0.2%、受注件数+0.9%とほぼ前年同水準。ただし、材料仕入れ額は用紙+3.4%、インキ+4.2%、CTP/PS版+13.5%と軒並み上昇、価格転嫁しきれない分が印刷会社の収支を圧迫しているとみられる。

【印刷会社経営者の声】

茨城:商業

ネットプリントに頼めない仕事に取り組んでいきます。

長野:総合

設計・企画・デザインのバランスによって「もの」は造られている。目的を達成し、成果を上げるものを次から次へと構築できるソリューションプロバイダーとして、顧客の課題を解決する型のビジネスが求められています。

岐阜:紙器

新年度を迎えた。年間スローガンに「刷新」を掲げている。本来の意味に加え、「新しいものを刷る」「新しいやり方で刷る」ことにも挑戦していきたい。

岐阜:総合

「グローカル」をテーマに、県内のある観光地を視察してきました。消滅可能性都市といわれる地域に以下に外国人客を誘客するか、行政とともに積極的に取り組む同業者の活動は、今後の事業の参考になりました。

愛知:出版

安保法案=戦争法案絶対反対です。平和でなければ健全な経営ができません。

和歌山:商業

今秋開催のわかやま国体の影響で、多忙な日々が続いています。こんな時こそ印刷を中心としない成長事業を考える期間にしたいと思います。