DTP開発のノウハウをXMLの普及に

掲載日:2014年8月27日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ユーザレポート:DTP開発のノウハウをXMLの普及に

 

近年,データベースの最新技術として脚光を浴びているXML。これに関する参考書を買ったり,セミナーを受けたりして勉強をした人も多いだろう。しかし,そんな人たちの頭に浮かんでくる「?」マークの文字。いったい何の役に立つのだろう,と疑問を感じる人が大半を占める。その証拠に,業界で騒がれている割には普及しているなどとは,とても言うことはできない。それには大きな原因として,〔1〕XML周辺アプリケーションの少なさ,〔2〕XML導入コスト高,〔3〕実運用例の少なさ,などがある。
XMLにアプローチしている企業のほとんどが,データベース系の企業であるのに対して弊社では,印刷(組版)側からXMLにアプローチしている。弊社は20数年Windows DTPを開発してきた。そのノウハウを生かし,XML周辺アプリケーションおよびシステムの提案・開発を行いXML普及に全力を注ぐ。

XML基礎アプリケーション「XmlWork」
2003年2月にXML基礎ツールとして「XmlWork」(エックスワーク)を発表した。これはツリー型XMLエディタとして開発。機能を強化し簡易サーバ機能も備わった。主な機能として以下に挙げる。
●リンク画像のリアル表示
●IEプレビュー
●Excel連携機能(ExcelのXML化など)
●FTP機能
●ノード検索および抽出(簡易サーバ機能)
●CSVなどデータの読み込み・書き出し
 このXmlWorkは,単にデータを作成することを目的とせず,柔軟にXMLシステムに対応させることを重要ポイントとして開発された。例えば,XmlWorkから自動組版を実行する。さらに,XmlWorkをエンジンとして使い,VisualBasic(VB)でコントロール。大量のXMLデータを自動編集することもできる。無料体験版あり。
 価格:68,000円(スタンダード版)
ほかにプロ仕様のプロフェッショナル版あり

フィット型ワンソースマルチユースシステム〔1〕
       ~定款・約款・規約~
 定款・約款・規約などのデータはルールに従ったデータ構造をもち,XML文書として管理することが最適である。しかし,単にXML文書にするだけでは面白みに欠ける。
 定款データの注目すべきポイントは,「定期的にデータが改正される」ところにある。データを改正すると同時に,改正個所の履歴(新旧改正表)を作成することができないのか。A社の提案によりXMLベースの定款システムを開発した。
 開発ポイントは,ユーザにXMLを意識させないこと。VBで入力フォームを設計し,裏でXmlWorkが動作させることにより柔軟性に富んだXMLデータを作成することが可能である。
これらXML文書を自動組版で印刷物作成,XSLでWeb表示させることにより編集コストも大幅に削減することができるだけでなく,改正作業がスムーズに流れる。

フィット型ワンソースマルチユースシステム〔2〕
       ~人材派遣業務~
 弊社では2年ほど前から通信販売などの商品データをXML化し,雑誌およびWeb更新の編集コストを大幅に削減することに成功している。
ある日,弊社とつながりがある人材派遣業の有限会社オフィスフルールの大目木代表取締役が「スタッフのスケジュールデータの乱雑さに困っている」と悩みをこぼしたことに始まり,XMLをデータフォーマットとした安価に利用できるスケジューリングシステムの設計を開始した。
 人材派遣業のスタッフと通信販売業の商品。データベースとして見た時,等価であることは理解できるであろう。これまでのシステムを応用すれば安価に組み上げることができる。
もちろん,このシステムに印刷も絡む。スタッフのプロフィールシート,発注書,請求書など。これらの印刷は,一般企業にあるであろうWordやExcelをVBでコントロールし自動編集を行うことにより導入コストを下げることができる。
これまで,スタッフの個人データ,スケジュールデータ,プロフィールシート用データ,Webデータなど,それぞれにおいてさまざまなデータフォーマットで存在し,そのデータの更新は,電話&ファックスなどアナログ的であった。これらのデータを社内サーバ上でXMLデータ化することによりマネジメント業務の効率がアップすることになる。
それだけではない。1人に1台携帯電話を,一家に1台PCを持つと言われるこの時代,スタッフの最新スケジュールデータがWebサーバをとおしてデータ共有することにより,常に最新の情報をクライアント(派遣の要求する側)に提示することができ,Web上から派遣の発注も受けることができる。
 (関連情報:オフィスフルール)

弊社が目指すもの
XML関連のシステムを開発してきて分かったこと。XMLは汎用性が高いデータフォーマットであるゆえに,設計手法は無限にある。かと言って,救世主的な存在ではない。XML化に不向きなシステムもある。しかし,電子政府構想にXMLが採用されているように,世界がデータフォーマットとして採用しているのも事実である。
 弊社では,印刷物およびWebを中心に作業効率がアップさせるフィット型ワンソースマルチユースシステムを構築し,多くの実運用例を提案することを目指す。
お問い合わせ
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有限会社フィット
Eメール:info@fit2001.com

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『プリンターズサークル』2003年8月号より

(2003年9月)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)