2015年度東京アビリンピックとDTP競技

掲載日:2016年2月18日

2016年2月13日(土)、第14回東京都アビリンピックが小平市の東京障害者職業能力開発校などを会場に開催された。

東京都アビリンピックの概要

アビリンピック(ABILYMPICS)とは、障害者技能競技大会の通称である。障害者の職業能力向上を図るとともに、社会の理解を深めることを目的として職業技能を競う大会である。
競技種目は、ワード・プロセッサやパソコンデータ入力、ビルクリーニングなど9種目で、「DTP」は2013年度、2014年度に続いて3回目の開催となった。9種目で合計103名の選手が参加した。

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(DTP競技会場:職業能力開発大学校、東京都小平市)

DTP競技

DTP競技は、120分の制限時間内に与えられたテーマと写真・テキスト・図版などの素材を元にデザイン、およびDTPデータ制作を行い、その優劣を競うものである。

JAGATは、2013年度より本大会DTP競技の専門委員として企画・運営・審査に協力している。

今年度は8名がDTP競技に参加した。普段からDTP制作業務に携わる人たち、またはそれを目指して学習中の人たちである。競技会場は東京都小平市の職業能力開発大学校のコンピュータルームであった。

課題は、書面およびWordドキュメントとして提示され、また写真・テキスト・図版などの素材データが各競技者のパソコンに用意されている。競技前の注意事項説明では、口頭で読み上げるとともに手話通訳もおこなわれた。
今回の競技課題は「東京都の桜まつりフォトコンテストの募集チラシをデザインする」である。支給された写真データ、図版データ、テキストデータをPhotoshopやIllustratorなどを使用して加工・レイアウトし、印刷データを制作する。
「桜まつりのフォトコンテスト」という比較的平易なテーマであったが、そのために独自のイラストやキャッチコピーを加えたり、写真を独自に加工するなど、個性的で工夫を凝らした力作が揃った印象を受けた。

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(課題に取り組む競技者)

採点は、魅力的なレイアウトでメッセージを確実に伝えることが出来ているか、印刷データとして必要な加工や配慮が出来ているか、などを基準に行った。

金賞を受賞したのは、優れた画像処理、プロフェッショナルレベルの魅力的な作品であった。チラシの目的(フォトコンテストの募集)をよく理解し、レイアウトに反映されていた。
銀賞作品は、紙面内での画像レイアウトが優れており、一瞬を切り取ったようなイメージである。
銅賞作品も、青空をイメージした中で桜のポイントが際立っているものである。

なお、金賞受賞者は2016年10月に山形県で開催される全国大会の東京都代表選手として推薦される予定とのことである。

上位入賞者やその関係者は日頃の研さんの結果を評価され、たいへんに喜んでいたようである。また、それ以外の競技者の方々も新たな目標を見出したのではないだろうか。

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(金賞作品)

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(銀賞作品)

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(銅賞作品)

(※第14回東京アビリンピック結果報告) 

(JAGAT 研究調査部 千葉 弘幸)