進む紙とデジタルの融合

掲載日:2017年1月12日

デジタル化の進展はマーケティング分野においても大きな影響を与えつつある。【page2017カンファレンスみどころ】

デジタルマーケティングと紙メディア、ともすると水と油のように思われるが、ネットでの購買が一般化し、デジタルマーケティングが進化するとともに紙メディア(DM)が見直されつつある。

ネット購買の一般化は、顧客情報(属性)、商品情報、購買履歴といったデータの一元管理を促進し、「あなたへのお薦め商品」を選び出すレコメンドエンジンは紙のDM(パーソナルカタログ)にも転用できる。

マーケティングにおける紙とデジタルの融合は以下のプレスリリースからも見て取れる。

参考事例(プレスリリース)

  1. サイジニア 通販の商品同梱チラシをパーソナライズした「おすすめ商品カタログ」を提供(2014年2月18日)
  2. はるやま商事 人工知能でパーソナライゼーション推進!(2016年6月10日)
  3. 博報堂DYメディアパートナーズ、ブレインパッド、福島印刷、マーケティングオートメーションによるバリアブルDMの自動発送ソリューションを提供開始(2016年7月28日)
  4. アパレル通販初、個客別フルパーソナルチラシのカタログ同梱 オットージャパン・凸版印刷・サイジニアが共同で開発(2016年10月26日)

page2017カンファレンスでは、さまざまなセッションにおいて、これらの動きを多面的に掘り下げていく。

基調講演2ではマーケティングオートメーション(MA)などのデジタルツールと印刷ビジネスの関係について議論する。マーケットに対してどのような具体的なアクションをしていくのが良いのか? 具体的にデジタルマーケティングの中で印刷がどのような役割を果たせるのか? を考えていきたい。
【基2】デジタルとアナログの最適解 

基調講演3では前掲の参考事例3のプレーヤー二社に登壇いただき取組みをお話しいただくほか、こうした動きを受けて印刷会社としてこれから何をすべきか議論する
【基3】印刷の新たな挑戦~クロスチャネルと パーソナライズを考える

G2セッションでは、DMの「今」を掘り下げる。売上に直結する行動喚起力が再評価されているという状況を「DMメディア実態調査」結果から報告。訴求力の強いDMとはどのようなものか具体事例を紹介。そして「マス」から「One to One」への変化について、最前線のプレーヤーから状況報告していただくとともに、マーケティング×印刷の視点からDMビジネスについて議論する。
【G2】訴求力強化が進むDMメディア

G5セッションでは、製造業として、マーケティングと連動したバリアブルドキュメントの生産現場に求められることを整理する。一番のキーワードは「自動化」である。
そして、デジタル印刷機の活用も必須であるが、従来の多品種小ロットモデルとは求められるものが大きく異なる。「多版メガロット」という概念について理解、議論する。
【G5】価値をつくる自動化

G1セッションでは、SLA(サービスレベルアグリーメント)というキーワードを取り上げる。従来のようにデータ入稿してから「出力できる、できない」といった対応をしていては、マーケティングオートメーションなどお客様のシステムと連携・連動した自動化の実現は到底不可能である。何か事が起こってから対処方法を考えるのではなく、事前にエラーの発生原因をつぶして、かつその条件を「契約」としてお客様と結ぶ。

これは何も自動化に限った話ではない。納期保障をする代わりに校了のタイミングは厳守、それが守られなかった場合は発注側にも何らかのペナルティが発生するといったことも契約内容としてあり得る。

このように発注側、印刷会社側お互いに合理性を追求することによってコストダウンを実現しようという考え方である。「働き方改革」をして残業時間を減らそうという昨今の世の中の流れともマッチする。
こうしたSLAの運用に実績があるプリントマネジメント会社から運用事例やそのポイントについて伺う。
【G1】プリントマネジメントに学ぶ顧客との新たな関係~コストダウンの鍵は顧客との取引条件と厳格な運用にある!

(研究調査部 花房賢)

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