印刷業界にこそ重要なプレゼンスキル

掲載日:2022年11月10日

プレゼンテーションとは、情報伝達の一つであり、相手の心を動かすための行動です。どんなに良い提案でも相手に伝わらなければ意味がありません。
プレゼンテーション(以下、プレゼン)と聞くと、大勢の前で話をするケースを思い描きますが、1対1の場面でもプレゼン要素は重要です。よって職場や家庭内、いつでもプレゼンをしているのです。
会社では「営業が使うもの」というイメージですが、会議や稟議決裁、報告の場面でもプレゼンスキルは大切です。プレゼン力が向上すると意思決定が早くなり効率も良くなります。

よくあるプレゼンの問題点

プレゼン専門用語を使っていませんか。業界や自社特有の用語は、普段使っているのでつい使ってしまいます。また、漢字の音読み、3文字アルファベットなど自分では分かっていても伝わらないケースも多くあります。さらに、聞き手には理解する「間」も必要ですが、話し手は沈黙を嫌うため、言葉(「えー」、「あのー」など)で埋めてしまいます。
さらに話し手は、ついつい伝えたいことを詰め込んでしまいがちです。しかし聞き手からすると、プレゼン内容すべて記憶することは困難。伝えたいことを自問してポイントを集約することも重要です。多くの資料、多くの言葉があっても、結果的に伝わらなければ意味がありません。

「伝える」と「伝わる」の違い

他人の話は、何かと「聞きたくない」ことが多くあります。基本的に話し手が「言いたいこと」と聞き手の「聞きたいこと」は違います。よって言いたいことを言うだけでは伝わりません。ふと振り向かせるような切り口や配慮(あるある感)も意外と重要です。
「どの程度聞いているか」は、聞く姿勢と分かりやすさで決まります。さらに「共感」が重要であり、その役割は思ったより大きいのです。

プレゼンの重要要素

プレゼンは、聞き手、環境が大きく影響します。次に話し手、内容、方法です。要するに「誰が」「何を言うか」で決定するのです。まず、話し手である自分を知ることも大切。他人のことはよく分かりますが、自分自身が一番見えづらいのです。よって、自分の見られ方を客観的に評価してもらうことも重要です。自分の見られ方が分かればコントロール可能、理想に近づくのです。
つぎに、プレゼン構成です。伝えることをピラミッド型に整理しておくと、論理構成が理解できます。万一、時間がなくなったとき枝葉を省略可能です。
また、プレゼンの準備は資料作成だけではありません。プレゼン自体の練習をしておかないと、実戦でつまづく場所がわからず、資料の間違いや不整合などにも気づきません。

印刷業界にはプレゼン能力が重要

今後のビジネスには、ますますスピードが要求されます。ITをはじめ機械の生産レベルがいくら向上しても、人間の意思決定スピードが向上しないとビジネス全体の効率は上がりません。まして、印刷業はオーダーメイド製造が多く、社内外を問わずコミュニケーションが重要な業界です。お客様の要望を社内に、会社の提案をお客様へと正確に伝える必要があります。したがって、印刷業界ではとくにプレゼン力を磨きたいものです。

(西部支社長 大沢 昭博)

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