工場改善における品質管理とブレるストライクゾーン

掲載日:2018年2月20日

高まる工場改善のニーズと品質管理

工場改善におけるニーズは益々高まっている。一般的な印刷の現場では、品質だけでなく加えて価格に対する要求は強い。益々コストダウンが求められる。印刷工場が収益を上げるためには、営業においての業績UPと工場においての生産性と効率性の向上し利益を捻出することだ。原価管理と現場改善に取り組むことが重要になる。例えば、5S活動や見える化に取り組むことは効果的だ。ただし、それらの活動が効果を出すためには、目的や目標が明確で進む方性を組織として共有化されていることが重要だ。特に品質管理おいては、基本的な考え方を理解し、認識しておくことが必須だ。当協会主催の工場マネージャー養成講座では受講者の関心が高かった内容として、品質管理での特性要因図を用いたトラブル要因の整理と課題を「見える化」しPDCAを回すことがあった。特性要因図やPDCAに取り組むにあたっての重要なことが課題設定や目標設定だ。そこで、認識しておかなければならないことが品質管理の基本的な考え方である。

意外と知らない印刷品質の基本
印刷物の品質を判断し管理することは難しい。何故ならば二つ視点があるからだ。顧客の要求品質と製造特性からなる製造品質である。顧客の要求品質が印刷物の製造適正にあった品質がイコールではないことだ。顧客のニーズと製造における適正条件の間で管理しなければならない。品質管理は手順を考えれば整理される。
そもそも品質管理とは何か。品質をチェックすることではなくコントールすることだ。野球のピッチングで言えばストラークゾーンでの狙った的に対して自在に投げるこができることだ。プロとは、顧客のニーズに対して自在にコントロールできることではないだろうか。
品質管理は、それをしくみ化して取り組むことだ。現状、印刷現場の基礎となる品質のストラークゾーン(基準)が設定されているかどうかが問題だ。印刷の安定化、数値化による見える化が出来ているであろうか。印刷の品質評価は、ドットゲイン、濃度、カラーバランス、コントラスト、トラッピング、ドライダウン等の品質を決定づける要因がある。それらを数値化することだ。印刷現場の品質管理はシビアだ。環境や条件によってばらつく。数値管理によってそのバラツキの幅を最小化することが狙いだ。印刷現場での安定化が出来た上で、組織としての顧客ニーズへのアプローチが可能になる。顧客、営業、制作、製造の品質基準を共有化することで連携が出来るのだ。
品質情報を広く深く読み取る力は、トラブルの事前防止、企画への提言、クライアントへの説明責任へも繋がる。「なんとなく知っている」ことから「原理原則をハッキリ学ぶ」ことで、根本的な現場改善と収益改善に繋げたい。
工場マネージャー養成講座第4期(JAGAT主催)は、「利益を生み出す工場改善」をテーマに今年もブラシュアップして5月12日(土)から開催する。

<関連講座>
【工場マネージャー養成講座第4期】

【印刷現場の数値管理手法とトラブル対応~測定器の活用による環境保持・印刷機械調整を学ぶ~】

     開催日:3月9日(金)10:00~17:00

【工場リーダーのための強い現場づくりのヒント】

     開催日:3月10日(土)10:00~16:00

( CS部 古谷 芸文)